働く介護者の立場で「NO MORE介護離職」に取り組む、介護離職防止対策促進機構(KABS)とは?

仕事 2017/12/26
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導入


日本では2025年に本格的な超高齢化社会が始まると言われています。要介護人口が急激に増える反面、高齢者をサポートする介護職員は慢性的に不足している状態です。こうした状況のなか、家族の介護や看護を理由に、転職や離職を余儀なくされる方々が相次いでいます。すでに大きな社会問題となっている「介護離職」。この問題を解決するため、介護者の立場から設立された組織が、ここで紹介する「介護離職防止対策促進機構」(KABS)です。

介護離職防止対策促進機構について



日本の介護離職問題の概要


総務省の調べによると、2011年10月から2012年9月の1年間で約10万人の方々が、介護・看護のために、転職や離職を経験しています。日本では、1992年に育児介護休業法、2000年に介護保険法がそれぞれ施行されました。しかし、これらは主に、要介護者や介護事業者、休暇を付与する側の企業を対象とした制度。一方で、主たる介護者となった個人を守り、仕事と介護を継続的に両立できるよう支援するための法整備は、十分に進んでいるとは言えない状況です。

介護業界の人手不足だけでなく、働く介護者の支援体制が不十分なこともあり、両親や配偶者が要介護状態になったときに、家族のだれかが仕事を犠牲にせざるをえないというケースが後を絶ちません。しかも、厚生労働省が公表した2013年のデータでは、55歳~59歳の介護離職者数が最も多く、さらに、そのうちの3割が企業内の要職にあることが判明。このように、働き盛りで、かつ年収も比較的高い層を失うことは、当該の企業だけでなく、日本の経済全体にとっても、大きな損失を招くことになると危惧されています。

問題解決のための取り組み


2015年秋、現状を重く見た政府は、「介護離職ゼロ」をスローガンに掲げ、国を挙げての介護離職対策に乗り出しました。国策として、家族介護者の相談機能や支援体制の強化、必要な休暇が取得できるような企業体制の整備・改善といった、大枠の方針が提示されていますが、具体的な防止策については、未だ議論の途上にあります。

介護離職防止対策促進機構(KABS)では、以下の5つのビジョンを掲げ、「介護をしながら働くことが当たり前の社会」を作るための取り組みを推進しています。

(1)介護者経験者のリアルな声に基づいて制定した「介護離職防止対策評価基準」を企業に浸透させ、介護離職ゼロを促進する

(2)「仕事と介護を両立できる職場環境」の整備促進を目的としたシンボルマーク「トモニン」の普及に努める

(3)啓発活動を通じて、「介護しながら働くことは当たり前の姿である」ことを社会全体に発信する

(4)「介護離職防止対策アドバイザー」の育成と普及

(5)介護離職者に対して「介護離職防止対策アドバイザー」の資格取得を促し、新たな雇用創出に取り組む

介護離職防止対策促進アドバイザーとは



どんな資格で、どんな事ができる?


「介護離職防止対策促進アドバイザー」は、介護離職防止対策促進機構(KABS)による認定資格です。介護保険制度や介護休業法などに精通したスペシャリストとして、主に企業内で、介護に直面した社員が仕事を継続できるよう支援します。企業で働く一社員という同じ立場で、介護と仕事の両立をサポートできる点が特徴です。

資格を取得するには?


介護離職防止対策促進アドバイザーになるためには、KABSとパーソル総合研究所が共同開催する「介護離職防止対策促進アドバイザー養成講座」を受講する必要があります。この講座は、忙しい社会人でも参加しやすい「1日完結型」のプログラム。講義形式で進められ、最後に修了証が授与されます。

主な講座内容



・介護保険の知識
・育児・介護休業法の知識
・介護離職防止、および仕事と介護の両立論
・「働く」と「介護」に関わるサービス概論

申込方法



介護離職防止対策促進アドバイザー養成講座は、KABSとパーソル総合研究所の共同開催です。

受講申込のほか、詳しい内容や開講日程については、以下より確認できます。
https://rc.persol-group.co.jp/learning/openseminar/care-advisor/

介護離職防止対策促進機構(KABS)の基本情報



主な活動内容


介護離職防止対策アドバイザー養成講座をはじめ、介護離職防止に向けたイベントや研修会、介護離職に関する調査・研究、メディア活動などを実施。

また、経団連や連合など各経済団体と連携を図り、現場が必要としている「介護離職防止対策」「仕事と介護の両立支援」の情報提供や施策の検討などを行っています。

【講座・資格の一例】


「介護離職防止対策アドバイザー養成講座」(定期開催)

「仕事と介護の両立支援セミナー」(仙台市役所主催・職員向け研修会)

「介護と仕事の両立勉強会」(農林水産省・職員向け勉強会)

【イベントの一例】


「介護離職防止対策シンポジウム」(定期開催)

「介護セミナー」(株式会社レオパレス21主催・オーナー向け研修会)

「柳澤健一(理事)によるトーク会」(台東区認知症高齢者支援事業 第8回「喫茶Y・O・U」主催)

【メディア活動の一例】


NHKニュースウォッチ9 「特集:介護離職(仮)」出演・・・2018年1月5日放送予定です

NHKラジオ 「すっぴん」出演

『介護離職しない、させない』(代表理事 和氣美枝、毎日新聞出版)

『書き込み式! 親の入院・介護・亡くなった時に備えておく情報ノート』(KABSアドバイザー 村田くみ、翔泳社)

『介護破産 働きながら介護を続ける方法』(結城 康博・村田くみ、KADOKAWA)

婦人公論の本vol.9 『いまからでも貯まる!老後のお金』(代表理事へのインタビュー記事)

トヨタ自動車労働組合会報誌『はぁい』11月・12月号(代表理事へのインタビュー記事)

ケアラーズ・コンシェル


KABS代表理事の和氣美枝氏が主宰する「ワーク&ケアバランス研究所」では、介護離職防止策の一環として、介護者のための情報交換サイト「ケアラーズ・コンシェル」を運営しています。介護未経験の方から現役の介護者まで、段階に応じて準備すべきことや使えるサービス、体験談など、多角的な情報を発信。また、仕事との両立を目指す介護者同士の交流の場としても注目されています。

ケアラーズ・コンシェル
http://carers-concier.com/

※ケアコンハンドブック無料頒布中
http://carers-concier.com/handbook/

介護事業所、介護者の会、地方自治体など家族相談の支援ツールとしてご活用いただきたく、1団体につき30部を無料で提供させていただきます。

数に限りがございますので、ご希望の際はお早めにお申し込みください。

KABSの問い合わせ先


事務局:東京都渋谷区道玄坂1-15-3 プリメーラ道玄坂413
TEL:03-6277-5784
FAX:03-6277-5784
MAIL:info@kaigorishoku.or.jp

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