介護レクに最適!カードゲームで防災意識を向上【名古屋学院大学・大興印刷株式会社】

介護のアイデア 2023年2月13日
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日本では、常日頃から災害を想定し、さまざまな啓発や避難訓練等が行われています。なかでも、病院や高齢者施設など介助を要する方が多くいるところでは、より念入りなシュミレーションが必要でしょう。超高齢社会の現在、要介護高齢者を含めた防災想定は必須です。そこで、当記事では、福祉施設における減災対策を学ぶ大学生の活動と、それをサポートする企業を紹介します。

目次

要介護高齢者向け防災ゲーム「避難バッグゲーム」

▲画像提供:大興印刷株式会社

私達が住んでいる日本は災害大国とも言われます。地震や台風、ゲリラ豪雨といった自然現象はもちろん、日常生活の中で生じる火災など多くの懸念を孕んでいるといっても過言ではありません。
そこで、日本の教育現場や企業、自治体などでは、普段から防災に対する興味・関心を持てるよう、さまざまな取り組みがなされています。

防災意識の向上のため一般的に行われるものに、机上における学習や避難訓練の実施などが挙げられます。学び、想定して訓練するという流れから体得するものは、非常に効果があるでしょう。
しかし、誰もが俊敏に行動できるとは限りません。身体が不自由な方や高齢のため介助を必要とする方などは、自ら動くことが難しい場合もあります。特に、介護施設のように多くの高齢者が生活する場では、現実問題として本人による迅速な避難というのは困難でしょう。

このような課題に目を向け開発されたのが、「避難バッグゲーム」です。名古屋学院大学の学生らが企画・開発し、大興印刷株式会社のサポートを受け制作。介護が必要な高齢者の方が防災意識を持ち、災害時に周りの人に「助けて」と言える受援力を高められるよう、ゲームを通して楽しく習得できることを目的としています。

ゲームのやり方はいたってシンプルです。避難バッグの中身となる防災グッズカード、災害時の出来事やアクシデントを想定したイベントカードがあり、イベントに対して手持ちの防災グッズカードで適切に対応していくというもの。イベントカードに多く対応できた防災グッズカードを持つ人が勝ちです。

▲画像提供:大興印刷株式会社

実際に身体を動かさなくても、災害時に必要なもの、取るべき言動などが遊びを通して習得できるため、レクリエーションにも適しています。テーブル上で行うカードゲームなので、特別なスペースや道具を必要としないというのも介護施設等に導入しやすいポイントでしょう。

また、そのほかにもさまざまな工夫や配慮が施されており、学生らの福祉に対する真摯な姿勢がうかがえます。

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名古屋学院大学

名古屋学院大学では、澤田景子現代社会学部講師による「上級まちづくり演習」という講義が設けられています。同講義の学習および活動内容と目的について、澤田氏は以下のように提示しています。
「多様性に配慮した減災意識啓発の活動をテーマに、企画立案から実施までの一連の活動を通して理解を深めます。特に、これまで学んできた基礎的な知識や視点、問題解決に向けて行動する力を生かし、実際の地域向けた情報発信力や主体的に展開できる力を身につけることを目的としています。」

これに準じて、学生らが企画から制作まで携わったのが「避難バッグゲーム」です。企画にあたり、学生らは、まず既存の何種類かの防災に関するカードゲームを体験。それを踏まえて、要介護高齢者向けのカードゲームはどのようなものがよいか、ということについて丁寧に話し合いを重ねたそうです。
その結果、要介護高齢者本人のみならず施設の介護士やスタッフ、ご家族にも影響を与えるゲームを作ることになりました。

また、ゲームの内容を練るのはもちろん、カードの仕様にもひと工夫。イラストや文字の見づらさを解消するため、カードを大きくし、はっきりとした色味をもたせました。
さらに、大興印刷株式会社に紙の見本を提供してもらい、学生らが実際に紙の質感や大きさを確かめて選定。使う人の立場や視点を細やかに配慮することで、どなたでも扱いやすいユニバーサルデザインを実現させています。

このような学生らの活動から生まれた同ゲームは、各施設から好評を得ており、現在在庫がない状態です。施設等への寄贈はすでに終了しております(在庫がない状態です)

大興印刷株式会社

大興印刷株式会社は、1947年の創業以来、長年にわたり印刷を通して社会へ貢献してきました。技術の研鑽を重ね、近年は新たな領域にも挑戦。そのひとつが、同社が実績を積んできたトレーディングカードゲームの印刷技術とノウハウを活かし、クライアントの企画・製造をサポートする「octpath(オクトパス)」事業です。

開発をサポートするにあたり、まずはクライアントの課題や要望を丁寧にヒアリングします。そのうえで、製品や印刷の仕様、紙の質・厚み・材料などを細やかに提案。ゲームのテストプレイや販売サポートも行っており、共同開発をした多くの企業や団体からは大きな信頼を寄せられています。

名古屋学院大学の学生らが企画した「避難バッグゲーム」も、この事業を通して製品化されました。社会経験が少ないながらも真摯に取り組む学生らにとって、同企業のサポートは大きな力となったことでしょう。

このように、自社の技術を惜しみなく社会へ還元する大興印刷株式会社の姿勢には目を見張るものがあります。今後の活躍が、ますます期待される企業です。

詳細情報

避難バックゲーム
名古屋学院大学 社会連携センター
大興印刷株式会社

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関連ジャンル: 介護のアイデア

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※この記事の掲載情報は2023年2月13日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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