
要介護者の介助にあたり、いかに本人の意欲を引き出し継続させるかは、介護士にとって大切な課題でしょう。また、介護士自身の身体的負担の重さも以前から問題視されていました。
このような課題を解消すべく、現場の意見を取り入れた画期的な製品を創出している企業を紹介します。ぜひ、今後の参考にお役立てください。
目次
ハーベストクラフト株式会社
ハーベストクラフト株式会社は、医療・介護現場におけるツールの開発事業とユニバーサルデザイン物件の賃貸紹介事業を行っています。
いずれの事業も、往診医として多くの在宅療養に携わっている代表の土井氏が、現場で感じた「あったらいいな」という感覚をもとにスタート。介護士はもとより、介護を受ける方、そのご家族など関係する全ての人にとって、生活しやすい環境づくりに注力しています。
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アドバイザーに相談する(無料)自力動作をサポートする「ヨイショっと!」介護業務をサポートする「ココもって!」
高齢者の方が怪我や病気を機に介護をうけるようになった途端、みるみる間に自力での日常生活が困難になったという話をよく耳にします。本来、介護施設では、介護サービスや生活サポート、機能訓練などを通じて、利用者さんが能力に準じ自立した日常生活を営めるようにすることを目的としています。しかしながら、それが立ち行かなくなる事例があるのも事実です。
これらついて、同社代表の土井氏は「要介護となった人が施設や在宅で出来るだけ長く療養生活を送るためには、医師や看護師が専門的なサービスを提供するだけでは成り立たちません。介護従事者や家族が、要介護者に対して毎日の介護をどのように継続していくか、ということを考える必要があります。」と提議しています。
それに次いで、療養生活を送るうえで必要なものは以下の3つが重要と強調。地域医療に携わってきた経験と、自身の闘病・療養経験から、介護されることに慣れずに自ら何かをするというのが大切だと説いています。
(1)自分のことは自分でする。そのためには面倒でも体を動かす習慣をつけるための手段を考える。
(2)介護者を助けるような仕組みや物品を駆使して、介護者自身が無理して介護を頑張ることを防ぐ工夫を考える。
(3)障害があっても自分の家で生活を続けられるような生活環境を整えるための方法を考える。

以上を踏まえたうえで開発されたのが、持ち手つきサポーター「ヨイショっと!」です。「ヨイショっと!」は要介護者自身の動作の補助、介護士の業務補助を目的として作られました。
使用においては、まず、表面にグリップが設けられたサポーターを要介護者の太ももに装着します。そのグリップを要介護者自身もしくは介護士が引き上げることで、足や下腹部に力が入りやすくなり、移乗やリハビリ、自力排泄などをサポートするという製品です。
これは上記(1)の解決策として考案されたもので、土井氏によると介護の現場では、要介護者は誰かにやってもらう(介護される)ことに慣れてしまうと、自分一人でできることでもやってもらった方が楽なのでやらなくなってしまう、という傾向があるとのこと。これを避けるためには、やはり自分で四肢を動かそうとする意識が大切です。「自分で体を鍛えなければ動けなくなってしまう。でもどうやって鍛えれば良いかわからない」「オムツはしたくないけれど、筋肉が衰えてしまって力めない。」と感じている要介護者、担当する介護士などに適した商品だといえるでしょう。

また、同社では(2)の解決策として期待できる、持ち手つきタスキ「ココもって!」も開発しています。これは介護士が装着する補助具で、要介護者にグリップを握ってもらい、移動や移乗の負担を減らすというものです。
介護施設では、常に人手不足が問題になっています。その一因は、介護士への肉体的な負担が大きいため離職に繋がりやすいということが挙げられます。この状況について、土井氏は「介護士の離職は社会の損失です。」と明言。同タスキにより、介護士の腰痛などを減らせれば、施設にとって非常に喜ばしいことでしょう。
なお、同タスキは着脱が容易で動きに制限が生じにくいことも、現場に導入しやすいポイントです。要介護者が転倒した際などに駆けつけやすく、蒸れにくく装着感も軽いのが特長。業務を遮ることがないので、関係者全員にとって有益なツールだと言えます。
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