
年齢を重ねると、どうしても身体の機能は低下します。それをサポートするのが介護士の役目ではありますが、高齢者本人の意志の尊重も大切です。また、介護士自身の負担が大きすぎても問題でしょう。そこでここでは、介護される側のやる気をサポートしつつ、介護士の負担軽減にも繋がる良品を創出している会社を紹介します。施設利用者のQOLをより良くしたい、業務を気持ちよく行いたいとお考えの介護士さんに注目していただきたい情報です。
目次
株式会社 青芳
株式会社青芳は、日本品質の高い基準でさまざまな生活用品を創出している企業です。現在は、おしゃれなデザインと機能が魅力の生活雑貨「カジュアルプロダクト」と、ユニバーサルデザインの食器「ウィルアシスト」の2シリーズを展開しています。
「ウィルアシスト」
食を楽しめる優れた機能
年齢・能力・状況などにかかわらず、できるだけ多くの人が利用できるユニバーサルデザインという概念は、1980年代の中頃から世界的に唱えられてきました。同社では、いち早くその観点に注目し「ウィルアシスト」というブランドを立ち上げ、30年以上にわたり介護福祉用の商品を製造販売しています。

ウィルアシストでは、主に箸・スプーン・フォーク・カップなどの食器類を手掛けています。そのいずれもが、ユニバーサルデザインという観点に基づき、通常の食器とは異なる造りです。 たとえば、スプーンやフォークには、腕や手指を動かしづらい方でも、容易に料理をすくったり口に運んだりできるよう持ち手に角度やカーブを設けています。箸は利き手に関係なくどんなふうに握っても使えるよう、ステンレスバネを搭載。カップは、頭や顎を大きく反らす必要がないよう内側に角度をつけて誤嚥を防いでいます。
どの商品も、身体の可動域の制限をカバーする工夫が施されており、子供から高齢者まで安心して使用できます。
開発秘話
ニーズに応える工夫と技術

食事は人間が生きていくうえで欠かせないものであり、大きな楽しみのひとつでもあります。しかし、介護が必要な高齢者にとっては、四肢や嚥下機能の低下により食事が苦痛に感じる方もいるようです。また、介護士にとっても、介助と事故防止、食の楽しみの提供などさまざまなことに気を使う必要があります。
同社では、これらの課題を解決すべく、ユーザーの声をこまやかにヒアリングして商品開発に反映しています。その中で見えてきたのは、「自分で食べる」ことへの尊重の大切さです。そこで、高い品質保持や使い勝手の良さを考慮するのはもちろん、食事を自分で楽しめるようサポートするということに重きをおいて開発に注力しました。ここから生まれた商品の数々は、自分で箸やスプーンを持って食事ができる喜びを多くの方に提供しています。
実際に導入している施設からは、「ウィルアシストのおかげで自力摂取できるようになり食事が楽しくなった」「介護士の負担が軽減した」といったユーザーの嬉しい声が届いています。「食事ができる喜びを何歳になっても感じていて欲しい」という同社の願いが込められているウィルアシストシリーズです。
詳細情報
登録は1分で終わります!
アドバイザーに相談する(無料)花岡産業株式会社
花岡産業株式会社は、スチールパレットといった物流機器の製作、パイプ加工、電着塗装などを行っている企業です。パイプ曲げ・溶接・塗装などの高い技術を活かして、近年は介護用品の製作も手掛けています。
車いすユニット「助立さん」
ステップの機能に注目

車いすの進化には目覚ましいものがあり、汎用的な自走式や電動式、スポーツ競技用、リクライニングタイプ、介助用など多種多様なものが展開されています。目的にあった選び方をするのが大切ですが、いずれにおいてもユーザーの座る姿勢が快適さを決めるポイントになるといわれてます。
そこで同社では、車いすユーザーが自分の足を乗せる部分、フットステップに注目しました。フットステップが高い位置にあると、太ももが上がり腰に負担がかかったり、食事の際にテーブルから離れ気味になったりするデメリットがあります。このような身体への負担や生活の不便さを解消すべく、同社の車いすユニット「助立さん」には、フットステップの昇降機能を搭載しました。使用方法はいたってシンプルで、スイッチひとつで簡単に昇降できます。また、走行中の昇降を防ぐ二重ロック機能、段差の乗り越えをスムーズにするサスペンションキャスター、後ろに傾くチルト機能なども施されており、安全に使用できます。
介護施設における「助立さん」の役割
導入により期待できること
介護施設において、車いすの使用は不可欠です。しかし、利用者の体格や身体の状態によっては、フットステップの位置が合わずに移乗がしづらいことがあります。これを解消できるのが同製品です。助立さんのフットステップは、床面にピッタリ着くまで下げられるため、乗り降りがしやすいというメリットがあります。介護者がかがんでフットパネルを上げ下げする作業も不要なため、介護士にとっても負担軽減になるでしょう。

また、食事の際は、足を床にしっかり着けることで安定感が増し、手が動かしやすくなります。少し前傾姿勢になるので食事がしやすくなるうえ、誤嚥や誤飲の予防も期待できます。
さらには、チルト機能による長時間座位の負荷軽減も可能です。
このように多くのメリットを持つ「助立さん」ですが、実は昇降機能部分のみを既存の車いすへ後付することもできるそうです。コストを押さえながら、安心と負担軽減を得られるため、施設運営の観点からも大きな味方となるでしょう。
詳細情報
株式会社丸三美田実郎商店
北海道に拠点を持つ株式会社丸三美田実郎商店は、道内の農産物を出荷する移出事業、農薬や肥料、農業資材の販売などを通して地元の農業振興に貢献しています。また、道産のジャガイモを用いて、介護食に活用できる商品も製造販売しており、介護業界からも大きな注目を浴びています。
顆粒片栗粉「とろみちゃん」
料理にひとかけの手軽さ
ジャガイモの切断面にヨウ素液を垂らしてデンプンを紫に染め出すという理科実験は、多くの方が子供の頃に学校で行ったことがあるでしょう。そのデンプンを粉状にしたものが、料理に使用される片栗粉です。
片栗粉には、水と熱を加えると強いとろみがつく性質があります。その性質を活かして作られるのが、麻婆豆腐や野菜あんかけといったとろみのある料理です。とろみを付けることで料理の口当たりが滑らかになり、味も絡みやすくなるため、一般的な料理はもちろん、離乳食や介護食などでも使用されています。
その一方で、水に溶かす手間やダマになりやすいというデメリットがあるのも事実です。そこで同社は、もっと手軽にとろみがつけられないかと考え、水に溶かさずに使えるふりかけタイプの片栗粉を作ろうと開発に乗り出しました。しかし、開発は苦難の連続だったといいます。ダマができないよう粒子を大きくし顆粒状にするというアイデアは出たものの、顆粒状にする従来の方法が片栗粉には通用しなかったそうです。添加物や小麦粉を加えて顆粒状にすることも可能ですが、同社は赤ちゃんから高齢者まで安心して使えるよう、添加物やアレルゲンフリーを徹底。数年の歳月をかけ、製造特許を取得した技術で顆粒状にすることに成功し、「とろみちゃん」を完成させました。

水で溶く必要がなく、料理をかき混ぜながらサッと振りかけるだけでとろみがつき、ダマにもなりにくい「とろみちゃん」は、これまでにない画期的な商品です。そのうえ、アレルギーの心配もないため、離乳食や介護食にも最適。使い勝手の良さと安心感から、多くのユーザーの心を掴んでいます。また、ふりかけのように手軽に加えられるため、料理全体ではなく、とろみが必要な人のみ使用するといった使い方もできるでしょう。
介護食におけるとろみの重要性
安心・安全・楽しみを提供
人は年齢を重ねていくと身体機能が低下し、さまざまな箇所に不具合を生じるようになります。嚥下作用の低下もそのひとつで、食べ物や飲み物を飲み込むことが難しくなり、食道ではなく気管へ誤って入る誤嚥が心配されます。高齢者が入居している施設では、この誤嚥を防ぐため、多くの介護士や調理スタッフが気を配っていることでしょう。
食事は、年齢に関係なく生きていくうえでの楽しみでもあります。高齢者も嚥下がスムーズにできると、きっと食事の時間が楽しくなり美味しさが増すのではないでしょうか。同社の「とろみちゃん」は、それを叶えてくれる頼もしい商品です。また、介護士にとっても、誤嚥の心配が軽減できる心強い味方となります。食事が人生を豊かにするものでありつづけるよう、そして介護が安全にできるよう、しっかりとサポートしてくれるでしょう。

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