技術と温かさで超高齢社会へ貢献!現場の課題に向き合う企業や団体

介護のアイデア 2022年1月24日
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超高齢社会の日本では、さまざまな企業や団体が介護や福祉のニーズに応えるべく、多様な取り組みを行っています。ここでは、自社の技術を活かした商品・サービスを創出したり、より良い社会づくりや後進の育成を図ったりしている企業や団体を紹介します。

目次

一般社団法人MCIリング

一般社団法人MCIリングは、介護予防プログラムの推進を目的として産学共同で設立された社団法人です。専門家の参画や知見のもと、加盟各社を中心に様々なソリューションを取り扱っています。

認知症啓発講座

VRによる体験型で理解度アップ

高齢になると多くの人が足腰が弱くなったり、視聴覚が乏しくなったりします。加えて、記憶が曖昧になる、周囲の人や場所を認識できなくなる認知症と診断される人も多くいるでしょう。
超高齢社会の現在において、そのような認知症の人の割合は増加しています。しかし、認知症への理解が進んでいるとは言い難いのが現状です。

そこで、一般社団法人MCIリングは、認知症ヘの理解と、介護予防の知識を得るための「認知症予防実践講座」や「認知症フレンドリー講座」(朝日新聞社提供)を実施しています。「認知症フレンドリー講座」では、認知症の人が見ている視点を自分の目の前に投影するVR機器を用いて、本人が感じている不安や困惑、幻視、意識の喪失などを体感できるため、理解の促進に大きな効果があります。

実際に受講した人からは、「認知症の症状について、具体的にイメージしやすかった」「本人の不安や戸惑い、生活の困難さを疑似体験できて理解が深まった」といった声が寄せられるほどです。VR内の動画は、あくまでも一例に過ぎませんが、このような疑似体験を通して理解度を高めることが期待されます。

脳トレ・筋トレを通したフレイル予防

脳と体に働きかけるトレーニング

MCIリングでは、脳や筋肉のトレーニング、 創作活動などによる認知症予防を推奨しています。

脳活性化メソッド「シナプソロジー®」は、「2つのことを同時に行う」「左右で違う動きをする」といった普段慣れない動きで脳に適度な刺激を与え、活性化を図ります。複数人で楽しく行うことで、感情や情動に関係した脳も活性化され、認知機能や運動機能の向上と共に、不安感の低下も期待できます。笑顔やコミュニケーションが生まれるので、楽しく続けられるのがこのプログラムの魅力です。

また、筋トレには、筋肉の動きを脳へ伝えることで感覚神経の働きを高める効果があります。学術研究でも筋トレは認知症の予防と改善に繋がる言われており、同団体では、ボディビルダーの講師のもと考案された「本山式筋トレ」を導入して提供しています。

さらに、700種類以上の日常生活課題を取り入れた「暮らしの脳トレ」で記憶や注意力を磨いたり、音楽プログラム「効くミュージック」で歌唱を通して歌詞記憶から表現まで楽しく認知機能に働きかけたり、絵やオブジェなどの創作活動を通して脳や心を活性化させたりする「臨床美術」も実践しています。

▲画像提供:(株)芸術造形研究所

参加者からは「体への適度な刺激が気持ちいい」「楽しく続けられる」「心が豊かになりそう」といった感想があり、認知症の予防や改善だけではなく、QOLの向上にも期待が持てる取り組みです。

詳細情報

一般社団法人MCIリング

株式会社AXIVE

株式会社AXIVEは、『見守りカメラ』AI化技術による人見守りのソリューションを提供している
企業です。「AIで高齢化と労働力激減から生じる課題の解決に寄与する」というビジョンのもと、人の温もりがある社会を守るためにAIを活用して、介護・医療、産業、サービス、交通業界に貢献しています。

夜間巡回代行 AI システム「CareVision」

注目したい「CareVision」の特徴

▲(左)実際の画像/(右)検知画像/画像提供:株式会社AXIVE

『見守りカメラ』の役割を持つ「CareVision」の大きな特徴として、AIが人間の動作を関節位置データのみで判断するという性能が挙げられます。この性能により、カメラの実画像を誰も見ていなくても転落や転倒を瞬時に検知し、通知することを可能にしました。

つまり、『見守りカメラ』の前で四六時中誰かが見守る必要がなくなり、介護現場の負担減につながります。これは、プライバシー保護の観点からも大きなメリットがあると言えます。

しかしながら、無人でも本当に大丈夫なのかといった声も聞かれるでしょう。その懸念を払拭するためにも、優れた検知精度を実現しています。たとえば、体の一部しかカメラに写っていない、階段手すりの格子越しに撮影しているなどの状況でも、関節位置情報を検知できる高い性能があるソリューションです。

「CareVision」の導入メリット

叶えられることと今後の展望

既に見守りカメラを導入している介護施設は多くありますが、誤検知に悩んでいるという話もよく聞かれます。これは、スタッフと入居者どちらにとっても大変なストレスです。仮に無事故なのに事故と誤検知されることが多いと、スタッフは常に過度な緊張を強いられ、入居者は監視されている感が強まります。

その反対で、事故を認識できない誤検知の場合は発見や対応が遅れるでしょう。CareVisionは、このような課題をAIで解決し、高い検知精度で入居者とスタッフをサポートしています。

また、介護の現場では常に人員不足に悩まされています。その原因のひとつに、夜勤による生活リズムの崩れや加重負担があります。このようにマンパワーに頼りすぎている状況を改善にする一介として、CareVisionは大いに役立つでしょう。

CareVisionの高精度な検知力は、夜間巡回の負担軽減に繋がります。労働環境が改善したことで、時間と心に余裕が生まれて介護の質が向上します。さらに、良い労働環境が整うと評判が高くなり、就職を希望する人も増加するでしょう。次世代に良いバトンを渡すためにも、CareVisionの導入は大きな価値が期待できます。

詳細情報

株式会社AXIVE
CareVision

株式会社トミーズ・スター

株式会社トミーズ・スターは、総合美容に関連する事業を行っている企業です。理美容師が介護施設を訪れて、入居者の方の髪をキレイに施術する活動や後進の育成を行っています。

「訪問理美容アクティブビューティーケア事業」

ADL改善とQOLの向上に貢献

▲画像提供:株式会社トミーズ・スター

介護の業界では、ADL(日常生活動作)とQOL(生活の質)という言葉がよく使われます。ADLには、食事や入浴、排泄、金銭や薬の管理、外出先での乗り物の利用などの動作が含まれます。多くの人にとっては簡単に行えるこれらの動作でも、体の機能や判断力が衰えてきた高齢者には容易ではありません。しかし、美容を通してADLを向上させられることが昨今、分かってきました。

そこで、株式会社トミーズ・スターでは、理美容師が介護施設を訪れて利用者の髪を整えるサービス「訪問理美容アクティブビューティーケア事業」(訪問理美容ABC事業)を立ち上げました。現在は、関東・中部・近畿・九州などにある施設を訪れてシャンプーやヘアカット、セット、メイクなどの施術を行っています。

理美容師が髪や顔をキレイにする際、相手の肌に触れますが、これには心や身体の健康を促すセラピー効果があるといわれています。その理由は、肌と肌が触れ合うコミュニケーションは、心地よさや不安軽減に作用するホルモンの分泌を促進するからです。

訪問理美容では、このようなセラピー効果により、気持ちが整い行動にもメリハリがつくことが期待できます。つまり、ADLとQOLの向上に大きく貢献しているといえるでしょう。

▲画像提供:株式会社トミーズ・スター

訪問理美容師養成

後進の育成とビジネスモデルの提示

現在、医療や介護、福祉サービスなどを地域で一体的に提供できる地域包括ケアシステムの整備が、各市町村で取り組まれています。それに伴い、町の理美容室が地域のプラットフォームとして高齢化社会を支えられるよう、同社では、訪問理美容への理解促進と後進育成のため「訪問理美容師養成アカデミー」を開催しています。

アカデミーでは、現場で必要な知識や対応、車椅子の基本操作、高齢者とのコミュニケーション方法などを教授しており、施設での実施体験も行っています。
事業を多角化したい、超高齢社会において理美容の可能性を広げたい、平日のアイドルタイムを有効利用したいと考えているサロン経営者に人気のセミナーです。

これからの訪問理美容事業は、市場のニーズ増に伴い安定した成長が期待できます。リスクが少ないビジネスモデルとしても注目を集めている仕事です。

詳細情報

株式会社トミーズ・スター

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