テクノロジーとパッションが集結!介護関連製品を創出する企業

介護のアイデア 2021年12月24日
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介護をサポートする製品を創出している企業の多くは、より良い介護を実現させたいという強い情熱を持って開発に尽力しています。ここでは、そのような想いをもち、介護予防や介護の質を向上させるために自社のテクノロジーを駆使している企業を紹介します。

目次

株式会社タイカ

創業以来、株式会社タイカは、独自技術である曲面印刷技術「CUBIC」や、多機能素材「αGEL(アルファゲル)」を通じて、「次代を拓く技術と発想によって、世界中に驚きと感動をとどけ続けます。」という企業理念の実現を推進してきました。
その性能・質の高さから幅広い業界からも注目されるようになり、近年は、「αGEL」の可能性を拡大させた介護・福祉用品の開発にも注力してきました。

介護・福祉用品「αPLA(アルファプラ)」シリーズ

▲左が「アルファプラ FⅡ」右が「アルファプラ FⅡ-W」/画像提供:株式会社タイカ

「アルファプラ FⅡ」

介護の悩みのひとつに、褥瘡いわゆる床ずれがあります。こまめに体位を変えて防ぐことは可能ですが、自宅においても施設等においても、理想的な回数で対応するのは難しいのが現状でしょう。
そこで同社では、多機能素材である「αGEL」の衝撃を吸収したり振動を防ぐ特性を活かした床ずれ防止マットレスをはじめとする介護・福祉用品「αPLA」シリーズを開発しました。これらの製品は、いずれも体圧分散性能・快適性・安定性に優れています。
その中のひとつ「アルファプラ FⅡ」は、ベッド上で寝返りや動作が困難な方、体位変換などの動作介助が必要な方、痩せや変形などによる骨の突出で痛みのある方などを対象に開発されました。できる限り自力で頑張りたいという利用者の気持ちに応え、アルファプラ FⅡには、マットレス上での動きをサポートする機能を搭載しています。自力で寝返りをしやすいように硬さや弾力の異なる素材を組み合わせることで、下肢の回転を助けています。

「アルファプラ FⅡ-W」

従来の医療・介護用マットレスは、抗菌加工は施されていても抗ウイルス加工までは対応していませんでした。そこで同社では、近年の医療・介護事情や社会状況を鑑みて、抗ウイルス機能を持つマットレスを考案。医療・介護業界で初めて、抗菌と抗ウイルスのダブル加工が施された「アルファプラ FⅡ-W」を開発しました。
抗ウイルスにおいては、不活化効果試験で新型コロナウイルス(デルタ株)の力価を99.7%低減させると実証されており、今後の活用が期待されます。(新型コロナウイルス(デルタ株)の不活化が実証された「アルファプラ FⅡ-W」は、通気カバータイプ2021年12月、撥水・防水カバータイプ2022年1月より出荷予定です。)
また、従来のマットレスと同様に熱がこもりにくくムレにくい作りで、耐久性にも優れています。

▲従来品より寝返りがしやすい特殊構造になっている/画像提供:株式会社タイカ

床ずれ予防への想い

知識と思いやりの輪を広げるセミナー

近年、介護の現場では、床ずれ対する認識が変わってきました。従来は、床ずれはできたら治すという考え方がありましたが、現在は、床ずれそのものを作らないという予防意識が重視されています。
しかしながら、介護に携わる施設職員やヘルパーの中には、対処法に自信がないという方もおり、同社ではそんな悩みを解決すべく「床ずれ対策セミナー」などを開催しています。
セミナーでは、参加者全員に実習へ参加してもらい、床ずれ防止に大切なノウハウをレクチャーします。正しい知識と思いやりをこのような取り組みを通して広げていくことで、よりよい介護の実現を目指しています。

詳細情報

「αPLA」シリーズ

UNTRACKED株式会社

横浜国立大学発のベンチャーであるUNTRACKED株式会社は、ヘルスケアや介護、福祉の向上に向けた研究開発、コンサルチング事業等を展開している企業です。
「最先端の人間支援研究で、本当に困っている人を少しでも助けたい」という理想のもとに設立された同社では、社会の特定ニーズに最先端の工学技術・理学療法技術を適用することで大きく貢献しています。

転倒リスクの計測ツール「StA²BLE」

「StA²BLE」の機能

超高齢社会の現在、高齢者による転倒事故とその後の体の不具合、介護などが社会問題として注視されています。そこで、事前に転倒リスクを計測できるのであれば、効果的な対策が取れるのではないかと開発されたのが「StA²BLE」です。
これは、ヒトは何かに触れると安定するというライトタッチ現象を応用して作られたツールで、指先に装置を取り付け1分間目を閉じて腕をふるだけで自身の立位年齢®️を算出することができます。また、身体機能のウイークポイントだけではなく感覚機能も評価できるため、より本質的な転倒リスクが計測可能なうえ、具体的な回復支援が実施しやすくなりました。

▲計測風景/画像提供:UNTRACKED株式会社

大学発ベンチャーによるリスクの見える化

設立経緯と測定を活用した支援について

テクノロジーの進化が加速している現在、新産業や新事業創出において大学が保有している知財を活用することが注目されています。UNTRACKED株式会社のような大学発のベンチャーだからこそ提供および研究できる事案も多く、StA²BLEは、まさに大学の知見を活かした開発だと言えます。
また、StA²BLEの開発によって転倒リスクが見える化されたことで、次に実施すべき介護や支援のあり方までも考えられるようになりました。これにより同社では、StA²BLEで評価した結果に応じて身体・感覚系の能力を改善する訓練プログラムを提案したり、新しい歩行サポートデバイスを開発したりしています。

▲計測結果/画像提供:UNTRACKED株式会社

詳細情報

「StA²BLE」

アクセスエール株式会社

2020年に設立されたアクセスエール株式会社は、障がい者や身体が不自由な方の生活を支援するハードやソフトの開発、販売およびサポートを事業として行っています。
障がい者のアクセシビリティ(Accessibility)を応援(Yell)したいとの想いを社名に込め、介護・福祉に貢献している企業です。

重度障害者用意思伝達装置「ファイン・チャット」

注目したい機能

▲画像提供:アクセスエール株式会社

同社の主力製品である「ファイン・チャット」は、身体が不自由で会話や指差しによる意思疎通が難しい方に向けて開発された意思伝達装置です。本体は50音の文字盤と液晶画面で構成されています。身体の僅かに動く部位を使い入力スイッチ1つのON/OFFだけで文字盤から文字を選択し、液晶画面に表示します。それを音声として読み上げさせることもできるため、言語障害と上肢障害の両方の障害を持つ方に適した製品です。

使用者は、この装置を操作して自分の意志を伝えたり、周囲の人とコミュニケーションを図ることができます。また、マイコン駆動なので起動も終了もボタンを押すだけ、操作中にフリーズすることもありません。小型軽量で持ち運びしやすいうえ、電源はコンセント、乾電池、モバイルバッテリーに対応し汎用性にも優れています。

さらに、パソコン、iPad、スマートフォンとの連携も可能で、シンプルながらも時代のニーズ適応した製品だと言えます。

▲利用者様が使用しているところ/画像提供:アクセスエール株式会社

「ファイン・チャット」にかける想い

開発にいたる背景と展望

ファイン・チャットは、実は大手家電メーカーが開発・販売していたレッツ・チャットという製品の代替となる製品です。アクセスエール社の代表である松尾氏は、以前その大手家電メーカーでレッツ・チャットを開発していましたが、2019年に販売が終了。しかし、再販を望む声が多く寄せられたことから、松尾氏が独立して代替品を開発・販売するに至ったそうです。

そこで、新たな開発に必要な費用の一部をクラウドファンディングで募ったところ、1千万円を超える多くの支援があり、2020年にファイン・チャットの販売が実現しました。
松尾氏がこれだけの情熱をもって再開発にあたったのには、自身の父親が難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い介護をした経験があるからだと言います。

松尾氏を始め多くの人の熱望により実現化されたファイン・チャットは、現在多くの介護現場に導入され好評を得ています。今後もさらに上質で便利なサービスの提供が期待されます。

詳細情報

「ファイン・チャット」

Posen株式会社

Posen株式会社は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の概念である、IT技術の浸透によって人々の生活をより向上させるという考え方に健康志向をプラスしたシステム開発を行っています。「DX+健康=ヘルステック」というキーワードを掲げ、人々を見守りつつ暮らしを豊かにする商品の開発および販売に注力している企業です。

AI骨格分析システム「Posen」

注目したい機能と特徴

▲画像提供:Posen株式会社

長時間のデスクワーク、PCやスマホの凝視、運動不足、加齢など、私たちの生活の中には姿勢が歪んだり疲労が蓄積したりする要因が多くあります。そのなかでも、超高齢社会にあって看過できない問題に姿勢の歪みが挙げられるでしょう。

そこで同社では、身体を撮影するだけで、瞬時に姿勢の歪みや関節の可動域が分析できるAI骨格分析システム「Posen」を開発しました。AIが被写体の姿勢の歪みと関節の可動域を15秒ほどで数値化するので視覚的に分かりやすく、高齢の方でも自分の身体の状態が理解しやすいと好評です。また、介護関係者においても、ケアやリハビリを効率よく行うための具体策が立てやすいとのお声もあります。

なお、この分析結果はデータとして管理できるので、本人や家族、介護連携先などで共有することが可能です。経過を見比べてリハビリの効果を確認したり、モチベーションをアップしたりとさまざまなメリットも期待できます。

介護の現場における活用について

導入事例と測定をもとにした支援

▲画像提供:Posen株式会社

現在、Posenは多数の介護施設や整骨院に導入されています。それに伴い、統一した評価や視覚的なフィードバックも可能になりました。

また、コロナ禍における対策として、オンライン診療や在宅、訪問リハビリへの対応にも活用されています。コロナの感染予防を見据えて製作されたシステムではありませんが、結果的には感染予防に役立つ商品になりました。

今後もPosenは医師や導入施設の先生、現場スタッフの方からご意見をいただきながらアップデートを重ね、より良いものを創り上げていくでしょう。これらを全国に波及させつつ、さらなる活用や展開も目指しています。

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「Posen」

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