リハビリやプログラムを通して、利用者さんの生き甲斐とその人らしさを引き出す組織

介護のアイデア 2021年9月27日
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目次

はじめに

介護の分野には、さまざまなリハビリテーションや介護予防サービスがあり、利用者のニーズに合わせた独自のプログラムを展開しています。そこで本記事では、ある特徴を活かしながら利用者の心身の健康維持・向上、QOLの向上を支援する団体をご紹介します。

一般社団法人日本音楽療法学会

日本音楽療法学会は、疾病と健康に関わる音楽の機能と役割を学際的に研究する学術団体です。音楽療法を通して健康の維持・促進など広く社会に貢献することを目的として、学術大会や講習会を開催し、国際交流事業や音楽療法の普及・啓発のためのさまざまな活動を行っています。

日本音楽療法学会は、所定の教育・訓練・実習を経た人を対象に資格審査を行ない、合格した人に「日本音楽療法学会 認定音楽療法士」の資格を与えています。全国の認定音楽療法士は音楽療法に関わる研究をしながら、健康維持・促進、QOL向上のためのプログラムを提供しています。福祉業界だけでなく、医療、教育、地域の健康活動と幅広い領域で注目されている学会です。

医療・福祉・教育分野で活躍する音楽療法士

音楽が持つ力を用いて心身の健康の回復・向上を図る音楽療法は、乳幼児から高齢者まで年代を問わず幅広く取り入れられ、対象者の「よりよく生きる」を支えています。

高齢者のための音楽療法

▲画像提供:一般社団法人日本音楽療法学会

介護老人保健施設やグループホーム、個人などから依頼される高齢者のための音楽療法は、認知症症状の緩和や介護予防に効果があるといわれています。楽器演奏、歌唱、鑑賞、音楽を組み合わせた脳トレや体操など、飽きることなく楽しく続けられるプログラムを提供しています。

プログラムの一つ、利用者の記憶の奥に残っている思い出の曲を使った回想法の手法を取り入れた音楽療法は、「昔を思い出して心が落ち着いた」「仲間とたくさん語り合えた」と、利用者からの声が寄せられ、現在では、多くの施設で取り入れられています。

子どものための音楽療法

児童・幼児のための音楽療法では、発達の促進およびコミュニケーション力を養うことを目的としたプログラムを実施しています。発達上の課題といっても、人と関わることが苦手だったり、集団生活が困難だったり、体や心の発達が平均的な子どもと違ったりと、子どもによってそれぞれです。音楽療法士は、音楽活動をとおして、さまざまな困難を抱える子どもたちを良い方向へ導くお手伝いをしています。

病院での音楽療法

▲画像提供:一般社団法人日本音楽療法学会

医療現場では疾患や障害により、さまざまな音楽療法が実施されています。代表的なものとしてターミナルケアやリハビリテーション、検査、手術、治療で感じるストレスや苦痛の緩和、精神科領域では対人関係や生活能力の改善などが挙げられます。

地域での音楽療法

病気や障がいのある人と地域住民が交流を深めるための活動や介護予防などを行っています。障がいのある人と地域住民によるバンドの発表会を開催したときは、参加者の距離がグッと縮まり、大いに盛り上がりました。

その他、地域での音楽療法として、孤立しがちな高齢者同士が音楽をとおして交流する居場所づくりに注力しています。

音楽療法士になるには

音楽療法士の国家資格制度化の推進および育成に邁進する同学会。学会が認めた認定校(養成校)で所定の教育・訓練・実習を受けた後に実施される資格審査に合格することで、日本音楽療法学会認定音楽療法士の資格の取得が可能となります。

なお、資格取得に必要なスキルとして、音楽の知識・理論・演奏技術、福祉や医学、心理学といった専門知識が求められます。

詳細情報

一般社団法人日本音楽療法学会

NPO法人失語症サロンいーたいむ

NPO法人失語症サロンいーたいむは、言語聴覚士の金浜悦子さんが代表を務めるサロンです。「失語症と共に生きる方々が、よりよい生活を創造するための援助」を基本理念に掲げ、言語レッスンや講習会、失語症にまつわる相談窓口事業を展開しています。

失語症に対する専門的な支援体制や、適切なコミュニケーション環境を提供する場が十分に整っていないといわれています。

同サロンでは、失語症によって自信を持てない人、孤立感を感じている人、生きづらさを感じている人の悩みに応えながら、失語症の症状を持つ人とその家族が地域で生き生きと暮らせるようサポートします。

失語症とは

失語症と聞くと「よく聞くけど、どんな症状なのかわからない」という人もいるのではないでしょうか。

失語症とは、何らかの脳損傷によって、聞く、話す、読む、書くといったことばの記号操作が困難になる言語障害です。症状は、ことばが出てこない、文字が書けない、言葉は聞こえるのに意味がわからないなど、軽症から重症まで個人差があり、症状によっては認知症と間違われることもあります。

また、失語症は外見からは判断できないため、ことばでのコミュニケーションがうまくできずに誤解や衝突が生じることもあります。

悔しさや苛立ちなど、相手に伝えられない・伝わらないことは本人にとって辛いものです。
同サロンは、失語症にまつわるあらゆる情報を発信しながら、失語症への理解を深めるための啓発活動を行っています。

NPO法人失語症サロンいーたいむで展開する事業

NPO法人失語症サロンいーたいむでは、仲間と楽しく参加したい人や大人数でのリハビリが苦手な人など、利用者の要望・ニーズに応じて、個人レッスン・グループレッスン・訪問レッスン・オンラインレッスンを実施しています。

個人レッスンはマンツーマン形式で、言語機能訓練の継続およびコミュニケーションの代償手段獲得訓練に取り組みます。代償手段獲得とは当事者の能力をより有効に活用する技術を身につけることで、期限なく集中してレッスンを受講できるのが特徴です。

一方のグループレッスンでは、2~4名程度の少人数制の自由会話形式で行っています。受講者からは「人と関わりを持てるのが楽しい」「自分の思いを相手に伝えることができた」という声が届いています。

また、言語聴覚士が専従していない介護施設を中心に、ゲームやおしゃべり形式のプログラムを取り入れたグループレッスンを行う出張レッスンも受け付けています。人との交流の楽しさを実感したり、コミュニケーション障がいを持つ人への接し方を学んだりできる充実のレッスンです。

その他、介護施設や医療機関、サービス機関を対象としたスタッフ研修や、自治会・老人クラブ向けの講習会など、研修会・講習会にも注力しています。講習会では認知症との違いに関する考え方や、失語症と認知症それぞれの症状を持つ人への接し方をお伝えしています。

詳細情報

NPO法人失語症サロンいーたいむ

日本アクティビティ協会

日本アクティビティ協会は、高齢者施設をはじめとしたアクティビティの支援を行う団体です。誰もが生涯にわたって社会活動に参加できる環境整備のお手伝いをしたいという思いから立ち上げられた同協会では、多彩なアクティビティをとおして、「住み慣れた地域で健康に暮らしたい」「年齢を重ねても社会活動をしたい」と願う高齢者の生きがいづくりに寄与しています。

また、高齢者体操指導士の活動概要やデジタルアクティブシニア体験会をYouTubeで配信したり、健康ゲーム指導士養成講座を開催したりと、アクティビティ・ケアを学びたい人に向けた取り組みにも尽力しています。

日本アクティビティ協会の主な活動

日本アクティビティ協会では、「教育」「空間」「情報」の三本柱を基本に、以下の活動を展開しています。

教育事業

介護業界において、アクティビティ・レクリエーションはなくてはならないものです。

しかし介護現場では、利用者の刺激になるような新しい取り組みになるようなレクリエーションを考えることに日々頭を悩ませています。

同協会では、プレイケア理論に基づき、アクティビティ実践・理論・コミュニケーションのスキルアップを目的としたプレイケアインストラクター養成講座を全国各地で開催しています。これまで多くの介護施設・事業所が講習を受け、余暇活動の改善のヒントを得ると同時に、プレイケアインストラクターの発掘・育成にもつながっています。

空間事業

地域コミュニティの活性化をサポートすべく、介護施設や調剤薬局、民間企業の遊休空間など、地域で使用されていないスペースを活用して、高齢者へ健康寿命延伸プログラムを提供しています。

なお、病院やクリニックといった遊休空間がない施設では、休業日を利用して実施されています。遊休空間を地域包括余暇センターと位置づけて行うこちらの取り組みは、「近所の仲間と楽しく通える」と、参加者に好評です。

情報事業

アクティビティの推進のほか、シニア・ヘルスケア関連商品およびサービスの開発、コンテンツ化を支援しています。主な開発例は、シニア向け体操やシニア向けぬいぐるみ開発などがあります。また、筆記による認知機能向上や手芸による脳血流測定といった、エビデンスの取得にも携わっています。

同協会は、大手企業や大学をはじめ、さまざまな企業団体と連携を図りながら健康寿命延伸のための施策を行っています。

詳細情報

日本アクティビティ協会

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