
高齢者に安全かつ楽しく日々を過ごしてもらうための有効な方法の一つに、転倒予防があります。本記事では、高齢者の転倒防止に注力するあらゆる職種の人たちに向けて学術的情報を発信している日本転倒予防学会を紹介します。
目次
日本転倒予防学会
日本転倒予防学会は、医療や介護をはじめ、転倒防止に関わるあらゆる分野の人たちに有益な知見とネットワークを提供しています。2004年に転倒予防医学研究会としてスタートし、2014年に現在の日本転倒予防学会に生まれ変わりました。
「転倒」の定義とは
1987年に開催されたKellogg国際ワークグループで発表された転倒の定義は、「他人による外力、意識消失、脳卒中などにより突然発症した麻痺、てんかん発作によることなく、不注意によって、人が同一平面あるいはより低い平面へ倒れること」というものです。発表以後、この定義が高齢者の転倒予防研究における基礎となってきました。
介護従事者にとっても有益な転倒防止の研究成果

日本転倒予防学会では介護従事者をはじめとした専門家向けに、学術集会やセミナーを開催したり、学術誌・教材を出したりしています。
第8回学術集会は「豊かな活動のための転倒予防」をテーマに、2021年10月に愛知県で開催されることになりました。介護職に就く人や医療従事者、薬剤師、理学療法士、作業療法士らが一堂に会し、それぞれが公平な立場で転倒予防の課題に向き合います。
セミナーやフォーラムも各地で開催されており、2020年には岩手県内の4会場と長野県東御市をつないでオンライン研修交流会を実施。この回では、実践と調査の報告、特別講演などが行われました。
機関誌としては「日本転倒予防学会誌」を発行しています。同誌には、転倒予防に関する最新動向や研究報告を掲載しているのがポイントです。またWeb上には転倒予防の教材も多数公開しており、専門職の方々が業務に活かせるようになっています。
転倒予防の専門家を認定する「転倒予防指導士」

転倒予防指導士の認定制度は、社会に向けて転倒に対する正しい知識を広め、学術的発展と人々の健康増進に貢献することを目的に開始されました。
同制度の講習会では、転倒予防の基本理念に始まり、転倒予防の現状、外傷、運動療法、リスク評価など幅広い内容を学習します。転倒を起こす可能性のある疾患や認知症の方に向けて、病院や施設などでの予防方法もカリキュラムに組み込まれているため、介護職にとっても学びが多いでしょう。
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