メイクで「外観」の悩みをサポート【公益社団法人顔と心と体研究会】

介護の仕事 2020年6月17日
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「きらケア」は「レバウェル介護」にサービス名を変更しました

「きらケア」は転職だけではなく、介護職の方が働く中での悩みに幅広く寄り添えるサービスになるために「レバウェル介護」として新しく生まれ変わりました。

サービスはこれまでと変わらずすべて無料で簡単にご利用いただけます。一人ひとりに寄り添った転職サポートをこれからも提供していきます。

目次

はじめに

今では、有料老人ホームなどでは、標準的なサービスになっている高齢者へのメイク。認知症の進行予防などの効果があることも認められています。25年以上も前に、このようなメイクサービスをボランティアで始めたのが、公益社団法人顔と心と体研究会(以下、顔と心と体研究会)の理事長内田嘉壽子(かづきれいこ)様です。本記事では、同団体の概要と主な活動内容を見ていきましょう。

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顔と心と体研究会とは

メイクボランティアを皮切りに活動を始めたかづきれいこ理事長は、2000年7月に顔と心と体研究会(2014年に公益化)を発足させ、「外観」(=主に顔)が「心」と「体」に与える影響に着目し、メイクボランティアを通じてデータを収集し、化粧が人の「心」と「体」に与える効果や可能性を考えてきました。
高齢の女性が化粧によって性格が明るくなったり、他人を思いやることができるようになったり、忘れかけた自分を取り戻したりというシーンは、メイクボランティア活動の中で日常的に出会うことができるものです。

化粧が人の「心」と「体」に与える効果を科学的に実証し(調査研究活動)、化粧の地位向上と「外観」問題の認知の向上を図るための活動(普及啓発活動)を行い、化粧を通じて「外観」に悩む方々の社会的・精神的自立をサポートし、社会福祉の発展に寄与することが、顔と心と体研究会の目的です。

高齢者の日常

顔と心と体研究会の活動

顔と心と体研究会は、次のような活動に取り組んでいます。

【メイクボランティア】

高齢者施設や障がい者施設において入居者や利用者の方々にメイクをさせていただき、メイク中のコミュニケーションも楽しんでいただくボランティア活動です。年間を通じて100回以上の施設訪問を行っています。この活動を通じて、人々に笑顔になっていただくお手伝いができるのと同時に、ボランティアに参加する人も、人の笑顔のすばらしさ、メイクとコミュニケーションで笑顔を引き出すことができる喜びを知ることができます。

同団体のメイクボランティアには、以下の特色があります。

・事前講習を実施
メイクボランティアへの参加希望者に対して、同団体が講習会を実施します。この講習会で、基本的なメイク方法とコミュニケーションの心得、施設訪問の流れなどを学ぶことができます。他者へのメイク経験がない方も安心してボランティアに参加できるようになります。

・会員限定の施設訪問
提携施設へのメイクボランティアに参加できるのは、同団体の理念と活動目的に賛同し、入会した会員のみです。活動の質と訪問先施設からの信頼を維持するための条件です。

・引率リーダーの同行
訪問経験が豊富な会員がリーダーとして同行します。リーダーの指示に従い、メイク道具の準備、メイクと会話、片付けまでを行います。リーダー以外にも経験豊富なボランティアの方が参加されますので、初心者も安心です。

【調査研究】

《表情表出の測定による高齢者へのメイクアップの有効性の検討》
2017年、高齢者施設でのメイクボランティア時に、メイクを希望した高齢者14名について、メイク前の表情(メイク前に施術者と挨拶や会話をしている時の表情)と、メイク後の表情(メイク後のご自身の顔を鏡に映して確認した直後に生じる急激な気分の高揚が落ち着き退席する時の表情)をセンシングデバイスで測定・比較しました。このデバイスでは、表情データを「真顔」「喜び」「驚き」「怒り」「悲しみ」の5成分の数値データに変換します。
メイク前後の表情成分の量的な変化をみると、「驚き」の上昇、「怒り」の減少に有意な変化がみられました。
また、メイク後の高齢者の様子についての施術者の主観的な印象評価では、高齢者の「他者と関わろうとする意識」に上昇が認められ、概して高齢者が前向きな言動を表出しているのが認められました。日々関わりをもたれる施設職員の方々からも同様な観察が得られています。

喜怒哀楽

【普及啓発】

《外観先端医療シンポジウム》
毎年1回さまざまなテーマでシンポジウムを開催しています。
2019年は「子ども虐待を考える」をテーマに行いました。子どもの虐待件数が増加している昨今。シンポジウムでは虐待の現状と課題を共有し、問題への様々な取組みを具体的に示すことで、各人が自分にできることを考える契機となりました。
同団体では、このあと、児童福祉施設からの退所(18歳)を控えた入所者へのメイク講習を行っています。

【メンタルメイクセラピスト®資格認証事業】

・メンタルメイクセラピーの目的背景
近年、多くの人が「外観」に対する悩みを抱えています。あざや火傷跡、事故の傷跡や手術痕だけでなく、加齢によるシミ・シワ・くすみ、若年層のニキビや吹き出物など、老若男女を問わず、様々な悩みがあります。

外観上の問題の背景にあるご本人のメンタル面のケアを行いながら、ご本人が満足できる外観をつくるためのメイクの方法を教え、ご本人のQOLの改善に貢献するのが、メンタルメイクセラピーの目的です。

・メンタルメイクセラピスト®資格認証制度の概要
メンタルメイクセラピスト®には、メイクの施術スキルはもちろんのこと、メイクの対象者との適切なコミュニケーションをとるために、カウンセリングやメンタルケアの基礎知識が必要です。また、上級資格者においては、医療スタッフとともに活動するのに必要な医療的知識も要求されます。

こうした幅広いスキルを持つメンタルメイクセラピスト®を育成すべく、顔と心と体研究会では下記の5等級の資格認証を行っています。各級のメンタルメイクセラピスト®はその能力に応じて、外観障がいを抱える患者・その治療にあたる医師や医療機関だけでなく、高齢者や高齢者施設、知的障がいや身体障がいがある方、そのご家族など、幅広い対象に対してメンタルメイクセラピーを提供できます。

以下では、各級のメンタルメイクセラピスト®の資格要件と、その資格の活動例を掲げます。

1.メンタルメイクセラピスト®4級
基本的なメイク技法や化粧品に関する知識を習得し、セルフメイクが可能になるレベルです。

2.メンタルメイクセラピスト®3級
高齢者をはじめとした第三者に向けてメイクの講習と指導を行えます。
(活動例)自宅サロンでのメイク教室、高齢者施設や障がい者施設でのボランティアメイク、介護士・理美容師などの付加技術

3.メンタルメイクセラピスト®2級
第三者に向けたメイク講習・指導を行うスキルを、他者に教えることができます。
(活動例)カルチャーセンターや大学の生涯学習での講師、企業や自治体主催イベントでの講演

4.メンタルメイクセラピスト®准1級
医療現場で外観の悩みを持つ患者さんに講習・指導を行う技術、医療知識、カウンセリングおよびメンタルケアの知識を身につけることで認証されます。インターン時の講習・指導提供が可能です。
(活動例)医療機関でのメイク講習、看護師・各種療法士などの付加技術

5.インターン
医療現場で6カ月間インターンをし、20症例以上の講習・指導経験を積みます。

6.メンタルメイクセラピスト®1級
准1級取得とインターンを経て認証されます。

資格の勉強

詳細情報

以上、顔と心と体研究会の概要や活動内容を見てきました。同団体についてさらに知りたい方は、下記URLをご覧ください。

https://www.kaokokorokarada.org/

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※この記事の掲載情報は2020年6月17日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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