北九州工業高等専門学校の知能ロボットシステムコース教授の久池井茂先生と生産デザイン工学専攻2年生の山本悠加様にインタビューしました!

その他 2019年12月4日
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現在のストレス度と傾向がわかる!介護職のストレスタイプ診断

目次

◆はじめに

『介護・福祉の現場で働く方に、いつもとは違った視点でその分野を研究している人を知ってもらいたい』という想いで始まったこちらの大学の研究室紹介。
第16回目は北九州工業高等専門学校知能ロボットシステムコースの久池井研究室に所属されている山本悠加様にお伺いしました。
久池井研究室では主に『ソーシャルロボットシステム』や『介護支援システム』を研究されています。

「研究の概要について教えてください」

私たちは、高齢者のためのソーシャルロボットの研究開発を行っています。ソーシャルロボットとは、人間とのコミュニケーションを中心に、人間をサポートするロボットのことです。少子高齢化や世帯構成の変化によって一人暮らしの高齢者が増加しており、このような独居老人の生活を豊かにする方法の一つとして開発を進めているのが私たちのソーシャルロボットです。

基本的な機能として、会話・ニュース読み上げ・天気予報・家電操作(スマートハウス)・メール送受信・ビデオ通話機能などがあります。これらの機能によって独居老人の生活をサポートしたり、離れて暮らす家族とのコミュニケーションツールになったりします。

そして、このロボットの特徴はユーザーの表情を認識したり、ロボット自体の表情・動きが変化したりすることです。小さな箱のようなスピーカーや無表情なロボットではなく、ユーザーの表情を読み取って会話内容や自身の表情・ジェスチャーに反映させることで、より温かみのあるロボットで自然なコミュニケーションができるように工夫しています。

【加工済】ソーシャルロボットの感情表現
図1. ソーシャルロボットの感情表現

「研究の詳細について教えてください」

現在開発中のロボットは、英語での会話が主となっています。理由としては、世界中への普及を目標としていることや、シンガポールの南洋理工学院(Nanyang Polytechnic)との共同研究開発であることなどがあります。そのため、まずは英語での会話やその他機能を実現し、現在は日本語への対応を行っています。

表情認識機能は、画像認識センサを用いて表情を推定することで実現します。喜び・驚き・怒り・悲しみに無表情を加えた5つの表情を推定し、表情ごとに割合を出力するため、曖昧な表情にも対応することができます。また、ロボットに感情表現をさせるために、瞼の開閉や口や頬の形・色の変化、腕の上下などを中心に会話機能と融合させています。

また、全ての機能を会話だけで実現することを目標としており、現在までに写真撮影や家電操作、ラジオの拝聴などの機能を音声操作によって実行できるようになりました。これによって、寝たきりの方々にもできることや楽しみが増え、そんな方々の生活が豊かなることを期待しています。

北九州市認知症支援・介護予防センターで行った実証実験では、理想のロボットに関する質問に、「単純に、おしゃべり相手になってほしい」「見た目はリアルな人間や動物だと違和感がある」などの回答をいただきました。そのため、現在は日本語の実装に加えて、表情や会話内容から読み取ったユーザーの感情を、より効果的にロボットの動きに反映させ、自然でスムーズなコミュニケーションがとれるソーシャルロボットの開発を目指しています。

【加工済】システム概要
図2.システム概要

「今後の研究の展望を教えてください!」

今後は、独居老人のみならず私たちにとっても身近な問題となりつつある「孤独死」の対策となるような機能の実装を行います。例えば、ロボットに話しかけてくれるユーザー情報や表情を始めとして、会話の頻度や時間帯などの情報を蓄積し、親族に共有することで独居老人の異変にいち早く対処できるような見守り機能です。また、地域交流の一環として行われている集会や地域の催しなど、高齢者でも立ち寄りやすいイベント情報をロボットが教えてくれるような、コミュニケーションの場を広げてくれる機能を実装していきたいと考えています。

また、現在では普及してきているオンラインショッピングやネットスーパー等と連携させることで、ロボットに話しかけるだけで買い物を行ってくれる機能や、運動が不足しがちな高齢者のために自宅に居ながら音声や身振りで体操を促してくれる機能を追加できればと思います。

これらの機能は私達が考えている機能の一部です。引き続き実証実験を繰り返して、高齢者の方々は実際に何に困っているのか、本当に求めているのはどんな機能なのかを明らかにします。そして、高齢者にとって負担となることを肩代わりしつつ、健康維持の補助をしてくれるような、ある意味で本当の家族のようなロボットにしていけたらと考えています。

【加工済】北九州市認知症支援・介護予防センターでの実証実験の様子(西日本新聞掲載)
図3. 北九州市認知症支援・介護予防センターでの実証実験の様子(西日本新聞掲載)

◆北九州工業高等専門学校の基本情報

久池井茂先生、山本悠加様、お話ありがとうございました!

最後に、北九州工業高等専門学校の基本情報を記載します。

北九州工業高等専門学校
https://www.kct.ac.jp/

生産デザイン工学科
https://www.kct.ac.jp/gakka/seisan/

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【参考URL】

知能ロボットシステムコース 久池井研究室
http://w3-cise.kct.ac.jp/kuchii/

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※この記事の掲載情報は2019年12月4日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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