名城大学理工学部情報工学科教授の向井利春先生にインタビューしました!

その他 2019年11月12日
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『介護・福祉の現場で働く方に、いつもとは違った視点でその分野を研究している人を知ってもらいたい』という想いで始まったこちらの大学の研究室紹介。
第14回目は名城大学理工学部で『触覚センサを応用した介護支援ロボットやインタフェース』を研究している向井利春先生にお伺いしました。

「きらケア」は「レバウェル介護」にサービス名を変更しました

「きらケア」は転職だけではなく、介護職の方が働く中での悩みに幅広く寄り添えるサービスになるために「レバウェル介護」として新しく生まれ変わりました。

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目次

「研究の概要について教えてください」

センサ情報処理を高度化することにより、工学システムの性能向上を目指している研究室です。その第一の適用先として、健康福祉機器や介護を考えています。

私は名城大学に来る前の職場(理化学研究所 理研-住友理工人間共存ロボット連携センター)で、企業(住友理工)とも連携しながら介護支援ロボットや触覚センサなどの研究を行っていました。現在の研究室でもその研究を引き継いでいます。

一番中心的に研究を行っているのが、触覚センサを用いた生体信号測定です。これはベッドの上に敷く薄く柔軟な触覚センサで、その上に寝てもほとんど違和感がありません。そのため,常にベッドに敷いておいて、日常的に睡眠時の情報を集積していき、健康状態の推移を見たり、異常が起きた時に警告を出したりなどに使えると考えています。これまでに、呼吸数、心拍数、寝姿勢、体動(寝返り)、ストレスに関係して変化する瞬時心拍数、血圧に関係している量である脈波伝達時間の測定に成功しています。

触覚センサ1

介護支援ロボットについては、現在の研究室では主に起立支援動作について研究しています。また、光によって心拍をモニタする光電脈波法に加速度センサを加えて、体を動かしたことによるノイズを軽減する研究なども行っています。さらに、新しく携帯型の脳波計を使ったブレインコンピュータインターフェースの研究を始めたところです。

ロボットによる起立補助1

「研究の詳細について教えてください」

触覚センサを用いた生体信号測定について説明します。触覚センサはシングルベッドの半分ほどの大きさで、ベッドの上に敷いておきます。これで脚を除いた体の大部分からの圧力を取得することができます。触覚センサ上の圧力の分布は一種の画像として扱えますので、パターン認識の技術を使って寝姿勢や体動を取得できます。
呼吸を行うと、胸部や腹部が拡張と収縮を繰り返します。これは触覚センサ上の圧力の時間変化として検出できます。また心拍があると、血管を流れる血液の圧力が変化します。これも体の適切な部位を選べば、触覚センサ上の圧力変動として検出することができます。ただしその大きさは呼吸と比べて小さく、また呼吸による圧力変動と重なって検出されます。これを信号処理を使って分離することで呼吸数や心拍数が得られます。

瞬時心拍数は一拍ごとの心拍数で、一定期間の平均として得られる心拍数とは異なります。瞬時心拍数は、いろいろな原因で自然にゆらいでいるのですが、それを調べることでストレスなどがわかります。一般的には瞬時心拍数は心電図から得ます。心電図には拍ごとに鋭いピークがあるので、それを一拍の手がかりとして瞬時心拍数を得ることは容易です。しかし触覚センサから得られる圧力変動にはそのような一拍を示す明確な手がかりがありません。また呼吸による圧力変動とも重なっています。そこで、ここでも信号処理技術を用いて、瞬時心拍数を得ています。

脈波伝達時間とは、体の異なる部位間の脈波の到達時間の差のことで、血圧に応じて変化します。そこでこれを測ることで血圧推定ができます。一般的にはこれは心電図と光電脈波計を用いるなどして測られます。私たちは、脈波伝達時間を手軽に測るために、触覚センサ上の2つの部位の圧力時系列から計算する方法を提案しています。

「今後の研究の展望を教えてください!」

触覚センサを用いた研究で目指しているのは、ベッド上のセンサで日常的にモニタリングを行い、健康状態に関する情報を蓄積していって人の健康維持に貢献することです。

そのために、現在の研究からまず進めなくてはならないことは、得られる生体信号の種類と質を向上させること、および、触覚センサで得たいろいろな生体信号から睡眠の状態や質を判定することです。さらに、体の不調や病気などの判定もできるようになれば良いと考えています。

それがある程度できるようになったら、触覚センサを使ったシステムで多くの人のデータを集める必要があります。これを統計的に処理することにより、信頼のできる判定ができるようになります。その結果を組み込むことで、普段は意識されないが常に健康状態を監視していてデータを蓄えていってくれるシステムに繋げたいと考えています。私たちはこのように、身体から情報を得られるセンサと情報処理技術を組み合わせて、健康や福祉に貢献することを目指しています。

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◆名城大学の基本情報

向井利春先生、お話ありがとうございました!

最後に、名城大学の基本情報を記載します。

名城大学
https://www.meijo-u.ac.jp/

理工学部
https://www.meijo-u.ac.jp/academics/sci_tech/

理工学部/情報工学科
https://www.meijo-u.ac.jp/academics/sci_tech/information/
-----------------------------------

【参考URL】

知的センサ情報処理研究室(向井研究室)
http://www2.meijo-u.ac.jp/~mukai/

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※この記事の掲載情報は2019年11月12日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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