
『介護・福祉の現場で働く方に、いつもとは違った視点でその分野を研究している人を知ってもらいたい』という想いで始まったこちらの大学の研究室紹介。
第8回目は健康科学大学健康科学部福祉心理学科で『高齢者に関する社会福祉・介護福祉の専門職をバックアップすることを目的とした研究』をしている梅沢先生にお伺いしました。
目次
「研究の概要について教えてください」
私の研究領域は高齢者福祉ですが、なかでも特に介護施設に勤務する生活相談員などのソーシャルワーカーの業務と役割などに関する研究を行っています。
例えば特別養護老人ホームと聞くと、介護職員が食事・入浴・排泄などの介助を行っている施設とイメージされる方も多いのではないかと思いますが、そこに勤務しているのは、介護職員だけではなく、看護師やケアマネジャー、そして生活相談員など多職種が協働で、要介護高齢者のケアに携わっています。「生活相談員ってどんな職種なのだろう?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
実は私も以前は、生活相談員として介護施設に勤務していました。私の研究の出発点、リサーチクエスチョンは、自身の経験をもとにした生活相談員という職種の業務実態と求められる役割・専門性の探究心といったところです。
「研究の詳細について教えてください」
私の研究は、介護施設のソーシャルワーカーというように高齢者に係る「専門職」に着目し、切り込んで専門性を明らかにする研究と、高齢者とその取り巻く環境や人々との「関係性や事象」について課題や今後の展望を明らかにする研究というように、対象を大きく二つの視点で取り上げています。
「専門職」に焦点を当てた研究としては、特別養護老人ホームに勤務する生活相談員ということになりますが、この専門職は多職種連携が求められる介護現場においては、とても重要な役割があります。介護施設に入所する際には契約を取り交わすわけですが、そこで契約書や重要事項説明書などの説明を行っているのも生活相談員です。生活相談員の業務は、施設全体のマネジメントやボランティアの窓口、事務や用務的な業務まで多岐にわたっており、非常に煩雑化しやすく、また本来の専門性(ソーシャルワーク機能)を発揮できているのかというところにも大きな課題が残されています。
また「関係性・事象」についての研究としては、最近特に重要性が高まっている、利用者のアドボカシー(権利擁護)やリスクマネジメントについての研究です。これまでも度々ニュースなどでも報道されている介護事故や高齢者虐待など、利用者を擁護すべき立場の介護施設で、いま何が起きているのかという課題についても浮き彫りにすべく、関連領域の研究も織り交ぜながら取り組んでいます。アドボカシーやリスクマネジメントに関しては、生活相談員のイニシアティブにより、取り組みを進めていくことが期待されています。
私はこれらの研究調査のため、全国さまざまな地域の特別養護老人ホームの施設長はじめ生活相談員の方々とお会いし、業務や役割、他職種との関係性、施設における立ち位置などをインタビューし、またアンケートのご協力を頂きながら課題を明らかにすべく調査を進めているところです。
「今後の研究の展望を教えてください!」
現在継続して進めている生活相談員についての研究は、生活相談員と他職種、生活相談員と利用者(入居者)・家族など、「人」と「人」の関係性をもとにした課題を浮き彫りにするものです。そのため個人差や地域性などあらゆることを考慮しながら、さらに研究を進めて行きます。この研究で得られた知見は、実務に就いている生活相談員はもちろんのこと、特別養護老人ホームにご入居されている利用者やご家族にも何らかの形でお役立ていただける研究になりますよう、精力的に取り組んでいきたいと思います。
ところで梅沢研究室には、高齢者福祉に関心の高い学生が多数集まっており、ゼミ活動を通じて、これからの高齢者福祉について様々な議論を交えています。私もゼミ生の斬新な発想に、驚きや新鮮さを覚え楽しみながら、新たなテーマも模索中です。

梅沢ゼミの活動風景(学生の方にも同意を得て掲載しております)
登録は1分で終わります!
健康科学大学の基本情報
梅沢先生、お話ありがとうございました!
最後に、健康科学大学の基本情報を記載します。
健康科学大学
http://www.kenkoudai.ac.jp/
健康科学大学健康科学部福祉心理学科
http://www.kenkoudai.ac.jp/modules/welfare_psychology_top/
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【参考URL】
梅沢研究室
https://hp9um.crayonsite.com/
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