秋田県立大学 システム科学技術学部 知能メカトロニクス学科 ロボット工学研究室の下井信浩先生にインタビューしました!

その他 2020年4月8日
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現在のストレス度と傾向がわかる!介護職のストレスタイプ診断

目次

◆はじめに

『介護・福祉の現場で働く方に、いつもとは違った視点でその分野を研究している人を知ってもらいたい』という想いで始まったこちらの大学の研究室紹介。
第18回目は秋田県立大学 システム科学技術学部 知能メカトロニクス学科 ロボット工学研究室の下井信浩先生にお伺いしました。
主に『安心・安全の見守りシステム』を研究されています。

「研究の概要について教えてください」

日本では2035年には3人に1人が65歳以上の高齢者になると言われており、老々介護が現実となる超高齢化社会の到来は大きな社会問題です。また、少子高齢化社会では単独生活をする高齢者の増加が見込まれますが、単身高齢世帯は急病時に同居家族からの通報や搬送等を期待できないため、発見の遅れから孤独死等のリスクを伴います。
介護・見守りサービス業界では、少子高齢化の影響により熟練した介護者の確保が難しく、昼夜を問わない被介護者の徘徊、ベッドからの転落事故等を完全に防止する為の課題は多くあります。現状では人材不足から、安心・安全の介護や生活の質QOL(Quality of life)を満たす事が困難な状況になりつつあります。
このような社会的なニーズから、本研究では被介護者や一人暮らしの高齢者が普段の生活と変わりない日常生活を送るなかで、QOLを重視しつつ受動的に見守る『安心・安全の見守りシステム』の開発を行っています。AI技術(人工知能)、ロボット技術、ICT(情報通信技術)の導入により、要介護者による緊急通報や就寝中のベッドの使用状況等を自律的に判断するシステムの管理が可能となりました。

「研究の詳細について教えてください」

(1)枕センサによる緊急通報
独居高齢者や要介護者が、就寝中に心臓発作等の緊急状態になったときに、本人自身が医療機関へ通常の方法で通報することは困難です。そのため、マイコン基板に3軸加速度計とWi-Fi通信モジュールを一体化させた枕センサを枕の中に装着することにより、緊急時に枕を叩いたり振ったりすることで加速度の大きさと振動回数から自律的に異常を検知し、関係機関に緊急通報することを可能にしています。

図1枕

図1枕ベッド

(2)ベッドモリタニングによる見守り
独居高齢者や要介護者の睡眠中の安否確認を確実に行うために、ベッドマットの下にピエゾフィルムを用いた圧力センサを設置することで、ベッドの使用状態や使用時間のモニタリングが可能となります。このセンサはAI技術により睡眠時間と離床時間の変化を正確に判定できます。被介護者側から見ると、寝返り等で体を動かすたびに介護士が訪室して睡眠を中断されることもなくなり、介護側から見ると、誤報のたびに他の業務を中断する必要がなくなります。睡眠中の安否確認は介護士にとって大きな精神的負担となっていましたが、このシステムの導入により業務負担が軽減されると考えられます。

図2. ベッドモニタリング用センサ

(3)見守りロボット「Mamoru-Kun(マモルクン)」
見守りロボット「Mamoru-Kun」を使用した宅内ネットワークの構築により、離れた場所からでも独居高齢者の在宅・外出の判断や就寝中の異常等を自律的に判定することが可能となります。さらに24時間における生活状況の安全が自律的に認識されるようにプログラムされており、高齢者や要介護者が健康な状態で日常生活を送っているか否かを判断することができるようになります。

図3. ネットワークシステム

「今後の研究の展望を教えてください!」

これまで一般利用されてきた各離床通知センサは、安価なものの、事故防止のための信頼性や製品耐久性が劣っていました。一方で、介護ロボット分野のセンサは、機能に優れているものの高価であることや運用性の問題で敬遠される傾向にあり、転倒や徘徊の危険性が低い入居者には使用されない場合が多いようです。
安価な見守りシステムが開発されると、施設内全室に見守りシステムの設置が可能になるため、全入居者の転倒・転落事故防止につながります。また、入居者全員の日々の離床時間や活動履歴をデータベース化して、生活状況を改善することも可能となります。
本研究により開発した新たな見守りシステムにおいて、①事故防止のための通知による「信頼性」、②利用者に心理的負担を与えず怪我をさせない製品の「安全性」、③簡単に壊れない製品の「耐久性」、④IT技術に慣れていない介護士にも扱いが容易である「運用性」などを、既存センサと同等以上に維持しながら、価格の大幅な低減を図ることが重要だと考えています。今後も少子高齢化により介護・看護の労働力不足が見込まれるため、人と「ICTシステム」、「見守りセンサ」、「介護ロボット等」を組み合わせた自律型の安否確認システムのさらなる普及が期待されています。本システムが見守りのために高齢者に利用され、孤独死の撲滅を目標に、安心・安全の社会を構築するための社会貢献と産業基盤となることを望みます。

◆秋田県立大学 システム科学技術学部 知能メカトロニクス学科 ロボット工学研究室の基本情報

下井信浩先生、お話ありがとうございました!

最後に、秋田県立大学 システム科学技術学部 知能メカトロニクス学科 ロボット工学研究室の基本情報を記載します。

秋田県立大学
https://www.akita-pu.ac.jp/

秋田県立大学 システム科学技術学部 知能メカトロニクス学科 ロボット工学研究室
https://www.akita-pu.ac.jp/gakubu/sys/gakubu0106

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※この記事の掲載情報は2020年4月8日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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