行政や医療・福祉従事者らと連携して認知症を予防【一般社団法人日本認知症予防学会】

介護の知識 2020年6月25日
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一般社団法人日本認知症予防学会(以下、日本認知症予防学会)は、発症前の対応から発症後の進行防止まで、トータルで認知症予防に取り組む団体です。本記事では、同団体の設立目的や資格に加え、コロナ禍における認知症予防対策についても紹介します。

目次

日本認知症予防学会とは

日本認知症予防学会は、認知症に関わるあらゆる職種の人たちを集め、この病気の予防対策を講じることを目的としています。

社会資本や治療薬は整いつつあるものの、行政や医療・福祉従事者との連携はまだ十分ではありません。同団体はこの状況を変えるため、医師、メディカルスタッフ、介護スタッフ、自治体職員らとともに予防の観点から認知症を考察。早い段階での発見・治療・予防実現を目指しています。

同団体の認知症予防対策は、大きく分けて3つです。

・第一次予防…発症予防
・第二次予防…早期発見、早期の治療と対処
・第三次予防…進行予防

上記3つを実行すべく、エビデンス(根拠)の創出とそれに基く活動、人材育成、多職種協働、地域連携に注力しています。

資格の普及

日本認知症予防学会は、認知症予防の専門知識を持つ人材を資格認定しています。同団体が主催する講座や講演会に参加し、単位を得て、資格取得が可能です。

【認知症予防専門士】

認知症予防専門士は、認知症に対する深い知識と予防スキルを兼ね備えたプロフェッショナルです。受験にあたっては、医療機関や介護施設、地域包括センター、NPO法人、一般企業、その他関連施設における3年以上の実務経験が求められます。また、同団体認定単位30以上、学術集会内の認知症予防専門士講座10単位取得も必須条件です。

【認知症予防専門医】

今後急増が予想される日常的認知症予防の社会的ニーズに対応するために、2018年に認知症予防専門医の認定を開始しました。認知症予防専門医認定の要件は、会員歴が2年以上であること、認知症の実診療歴が3年以上あること、学会認定単位を30以上取得することです。

【認定認知症領域検査技師の普及(共同事業)】

認定認知症領域検査技師は、臨床検査の知識と技能で認知症予防に寄与する人材です。臨床検査で全身状態を把握することは、認知症の原因となる病態の判断に有益であると考えられます。他の医療職種と連携しつつ、認知症の第一次~第三次予防を担います。

※認定認知症領域検査技師の試験と資格更新は、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会との協同事業です

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エビデンス創出委員会について

日本認知症予防学会は、有効な予防対策を講じるためのエビデンス創出にも積極的です。エビデンス審査申請は、書類審査のみと臨床試験実施の区分があります。

審査結果は6段階あるグレード(特A・A・B・C・D・E)のいずれかで判定され、申請者に通知のうえ同団体Webサイトでも公表。申請者が審査結果を商品や広告に使用する際は、星マークによるグレード表示にも対応します。

新型コロナウイルス感染症を乗り越える方法

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外出自粛が呼びかけられるようになりました。高齢者も例外ではなく、自宅に閉じこもる日々が続きます。しかし、日本認知症予防学会の浦上克哉理事長によると、これは認知症予防にとって好ましい状況とはいえないそうです。そこで同団体は、コロナ禍における認知症対策を次のように示しました。

【運動】

「3密」を避けた環境で、1日30分以上体を動かすようにします。家にいても、立ったり座ったりを繰り返す、座ったまま足を持ち上げる、スクワットをするなどの運動は可能です。転倒防止や筋力維持につながるでしょう。

【知的活動】

頭や指を使う作業、自分の好きなことを行うのも効果的です。たとえば、パズルや俳句作り、歌、読書などが挙げられるでしょう。新型コロナウイルス防止にもなるマスクづくりも良い方法といえます。

【会話】

家族や友人との会話も、外出自粛中の認知症予防に有効です。直接会話するときはソーシャルディスタンスを保つようにします。電話をすること、顔を見ながらビデオ通話機能を使ってお話をするなどもお勧めです。

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詳細情報

以上が日本認知症予防学会の取り組みの概要です。同団体についてさらに知りたい方は、下記URLをご覧ください。
http://ninchishou.jp/

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※この記事の掲載情報は2020年6月25日時点のものです。制度や法の改定・改正などにより最新の情報ではない可能性があります。

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