
コミュニケーションが苦手な介護職の方のなかには、ご高齢者との会話のネタ探しに苦労している方もいるのではないでしょうか?ご高齢者と上手に会話をするコツは、相手の興味を知り、傾聴力を磨くことです。無理に笑いを取ろうとする必要はありません。肩の力を抜いて会話をしてみましょう。この記事では、会話がちょっと苦手な介護職向けに、ご高齢者の興味のある話題や話し方、聞き方のポイントをまとめました。
目次
ご高齢者にウケる話・興味のある話題とは?
ご高齢者との会話が苦手な介護職の方は、どのような話題が興味を引きそうかチェックしてみましょう。
現役時代の仕事や子育て
現役時代の仕事や子育ての話題は、ご高齢者が進んで話をしてくれそうな話題の一つ。男性ならどのような仕事をしていたのか、女性なら子育てエピソードについての話が好まれる傾向にあります。若い介護職からすれば、ご高齢者は人生の先輩なので、自分の仕事や子育てなどと照らし合わせて相談してみるのも良いでしょう。そこから発展して、仕事や子育ての相談会になったり、家事や料理のコツを教えてもらったりするなど、話が膨らむこともありますよ。
最近ハマっている趣味
趣味や好きなことに関する話題は、年齢に関わらず好まれる傾向があります。いきなり「趣味を聞くのはちょっと…」という方は、最近実施したレクリエーションの感想を聞いてみるのも手です。絵や工作などを行った場合は、「◯◯さんの作品素敵ですね」と話しかけてみましょう。
生まれ育った地域の話題
生まれ育った地域や馴染み深い土地に関する話題も、ご高齢者が喜んで話してくれる話題でしょう。よくあるネタなので、「◯◯さんは、どちらのご出身ですか?」という風に、気軽に聞けるのも良いですよね。その地域のお祭りや観光スポット、美味しい食べ物など、さまざまな話に発展できるのも楽しいポイントです。自分に土地勘のない場所の場合は地図を開きながらお話を伺うと良いと思います。出身地周辺の地名を話題に出すことで、家族や友人との思い出話につながることもあります。
好きな芸能人
年齢に限らず、好きな芸能人について語るのは、誰もが楽しいと感じるのではないでしょうか?好きな俳優や女優、歌手、お笑い芸人などの好みは人によってさまざまなので、周りの人も交えて盛り上がれるかもしれません。ただし、若い介護職の場合、往年のスターにピンとこないことも。そのようなときは、後で話題に出た芸能人について調べてから、「この人のここが良いですね」といった感想をきっかけに話しかけてみるのもおすすめです。
苦労話
楽しい話題よりも苦労話のほうが盛り上がることもあります。子どものころに大変だったエピソードや、子育て・仕事の苦労話などは、年齢を重ねても記憶に残りやすいようです。ただし、本人が思い出したくない話題を無理に話させてしまうことのないように気をつけましょう。
会話のネタに困ったときにおすすめの話題
ご高齢者とのコミュニケーションで沈黙してしまい、困った経験がある介護職は少なくないようです。この項では、そのようなときにおすすめの話題をまとめました。
今日の天気
天気に関する話題は定番中の定番ですが、話のきっかけとして覚えておくと非常に便利です。特に介護施設に入居されているご高齢者は、外出する機会が少なく、季節の移り変わりに気づきにくいことも。「今日は秋晴れで、紅葉が見頃ですよ」「まだ肌寒いですが、桜が満開でしたよ」などと話すと喜ばれます。そこから「紅葉といえば…」と旅行や観光の話に発展させるのも良いでしょう。
健康法
テレビで特集されているような、健康法を話題に取り上げてみるのもおすすめです。「この食べ物が体にいいらしい」「この運動を1日5分すると関節痛が和らぐらしい」など、健康法に詳しいご高齢者も多いので、一緒に試してみると楽しいかもしれません。
食事や料理
食事や料理に関する話題を出してみるのも良いでしょう。「◯◯が美味しかったですね」「今日の夕食のメニューは◯◯ですよ」など、施設の食事について話してみてはいかがでしょうか。料理上手なご高齢者には、「煮物を作ってみたけど、味が染みてなかったんですよね…」というように相談してみると会話が広がるでしょう。
季節の行事やイベント
「そろそろお正月ですね」「今日は七夕ですよ」など、行事に関する話題もおすすめです。施設によっては、レクリエーションの一環としてイベントを開催することも。楽しいイベントが待ち遠しい気持ちを高めることができそうです。
テレビやニュース
身近なネタとして、ニュースやドラマの内容を話題にする方法もあります。「あのドラマの主人公は最終回でどうなったんですか?」「最近寒いと思ったら、風邪が流行っているみたいですね」など、ご高齢者に合わせて内容を変えてみるのがコツです。
笑えるネタじゃなくても良い!ご高齢者が喜ぶ言葉
ご高齢者と話す際に、笑いやウケることを意識し過ぎてしまい、かえって話せなくなる人もいるようです。たしかに、ご高齢者を笑顔にする話題は素敵ですが、必ずしも芸人さんのような笑えるネタを披露する必要はありません。ここでは、ご高齢者が喜ぶ言葉をいくつかご紹介しますので、話かけ方に困ったときは、参考にしてくださいね。
「お上手ですね」
レクリエーションで絵や工作を行う際は、「お上手ですね」と作品を褒めてみましょう。年齢に関わらず、誰かに褒めてもらうのは嬉しいものです。積極的に声をかけると喜ばれるはずですよ。ほかに、「素敵ですね」「色使いが良いですね」といった声がけもおすすめです。
「参考にしますね」
ご高齢者がアドバイスしてくれたり、豆知識を披露してくれたりしたときは、「ありがとうございます!参考にしますね」と伝えると良いでしょう。 ご高齢者にとって、「誰かの役に立っている」というのは嬉しいはずです。次の機会に「アドバイス通りにしてみたらうまくいきました!」と感想を伝えるのも忘れずに。
「〇〇はどうでしたか?」
ご高齢者の予定を覚えておき、後日「◯◯はどうでしたか?」と感想を求めるのもおすすめです。自分の予定を覚えていてくれる介護職に、好印象を抱かないご高齢者はいないのではないでしょうか?特に、お孫さんが遊びに来たり、家族と旅行へ行ったりする楽しい予定は覚えていると喜ばれるはずですよ。
ご高齢者と話す際に心がけたいポイント
ご高齢者と会話をする際は、言葉だけでなく気をつけたいポイントがいくつかあります。ここで、ご高齢者と話すときのポイントを確認しましょう。
声のトーンやスピードに気をつける
聞き取りやすい声のトーンを心がけ、ゆっくりとしたスピードで話しましょう。個人差はありますが、ご高齢になると耳が遠くなる人もいます。また、早口で聞き取れなかったり、意味が理解しにくかったりすることもあるようです。「何て言ったの?」と聞き返すのは、相手にとっても負担になるため、はじめから聞き取りやすい話し方を心がけてください。
敬語でも分かりやすい言葉をチョイスする
ご高齢者に対しては、敬語を使うのが礼儀です。しかし、難しい敬語は理解しにくさや聞き取りづらさにつながる場合があるため、「~です」「~ます」といった丁寧語を使い、分かりやすい言葉を選ぶと良いでしょう。
笑顔を意識する
ご高齢者と会話をする際は、できるだけ笑顔を心がけましょう。真顔は相手に怖い印象を与えてしまいます。面と向かって話す際は、口角を上げて笑顔で話すようにしてみてください。
相手の気持ちを汲み取る
相手の様子を見て、「これは聞いてほしくなかったのかな?」と感じたときは、すぐに話題をそらしましょう。人によっては、昔の話をしたくない場合もあります。自分が聞きたいと思ったことでも、ご高齢者の気持ちを1番に尊重しましょう。
ご高齢者の話を聞くときのポイント
傾聴とは、相手が話すことに対して真摯に耳を傾けるコミュニケーションの技法の一つです。相手が話す内容に関心を寄せるだけでなく、深く理解し、共感的理解を示すことで、信頼関係の構築にもつなげていきます。ここでは、傾聴力を磨くために、ご高齢者の話を聞くポイントを確認しましょう。
目線の高さを合わせる
話を聞くときは、相手と目線の高さを合わせましょう。上から見下ろす形で会話をすると、相手に威圧感を与えてしまう場合があります。ご高齢者が椅子に座っているときは、自分の同じような高さの椅子に座るか膝をつくようにして、目線の高さを調整してみてください。
適度なアイコンタクト・相づちをする
相手の話を聞いているサインとして、適度なアイコンタクトや相づちが大切です。黙って聞いているだけでは、「聞いてくれているのだろうか…」と心配してしまいます。「聞いていますよ」と示すためにも必ず行いましょう。
むやみに否定しない
ご高齢者の話をむやみに否定してはいけません。ご高齢になると、同じ話を繰り返したり、過去の発言と異なる話をしたりすることがよくあります。それに対し、「それは前に聞きました」「前は違うことを言ってましたよ」などと否定すると、嫌な気持ちになってしまうでしょう。どのような話でも否定せずに真摯な姿勢で聞いてあげるのが、ご高齢者をサポートする介護職の役割です。
まとめ
ご高齢者にウケる話・興味を引く話題には、「現役時代の仕事や子育てに関すること」「生まれ育った地域について」などがあります。コミュニケーションが苦手な介護職は、無理にご高齢者を笑わせようとしなくて良いので、相手の話をしっかり聞く「傾聴」の姿勢を心がけましょう。傾聴力を磨くには、ご高齢者に目線を合わせたり、適度な相づちを打ったりするのがポイントです。
日々のコミュニケーションを重ねていき、アセスメントのための情報収集や、信頼関係の構築、孤独やストレス解消などにつなげていけるといいですね。


