きらケアを利用して転職を成功された方、派遣社員として働き始めた介護士の方々にインタビュー。
リアルな体験談をレポートします。
2019-07-23
木村 加奈子 (仮名) 28歳
この体験談の
ポイント
社会人になられて、最初から介護のお仕事に携わっていたのですか?
最初の仕事はまったく関係ないものでした。早く自立したいと思っていて、就職しないといけないなら自分で何か探しに東京へ出ようと。最初に就いたのが空港のセキュリティ。そこから転職していろいろ仕事していました。
その後どういったきっかけで介護職に?
祖父が誤嚥して、救急車で運ばないと一刻を争うような状態に出くわしてしまって。病院でお世話になった看護師さんや看護助手さんの対応がありがたく、すごい仕事だなと思って。その頃25、6ぐらいで5年ほど飲食の仕事をしていて、このままでいいのかというときに、福祉や医療関係の仕事はありがたい・すごいなと感じたのがきっかけです。自分にもできないかと探したら、無資格未経験でも可能な介護派遣のお仕事があって。これだったらできるかもしれないと、介護の仕事を始めました。
就いてみてギャップはありましたか。
すごくいいと思ったのは、人から必要とされること。先輩方は本当に仕事ができるし気も利いて、出来た方が多いです。人手や時間が足りなくても周りを見て指揮を取り、利用者さま対応も抜かりなくされていて、こういう人が表に出て、介護のイメージが変わったらいいと思います。すごくきついのは、認知症の方やご病気をされていた方のケア。その方の対応があるから他がまったく回らなくなる日も多いんですよ。一日の仕事内容が変わってくるからすごく大変。 自分の中で上手く感情をコントロールしないといけない。人対人の仕事なので、自分がイライラしてたら周りに伝わってしまう。そこが大変だと思います。
大変な部分の裏返しとして、人に対する接し方が養われますね。お仕事に携わった期間はどれぐらいですか?
今年で2年くらいです。
徐々に慣れてきた感じですか?
そうですね。利用者さまの人となりを知り信頼関係を持たないと難しい仕事だなあと思います。何もしていないのに怒っているときがあって。ちょっとしたことを敏感に捉える方の場合、少し待たせるとその方にとっては来てくれない・見てくれないとなる。いろいろな問題にぶつかりながらそういう流れを噛み砕いて、対応やケアにあたる感じです。これじゃダメならこうしてみようとか。毎日その積み重ねです。
介護職最初の1,2年目、どういう風に乗り越えられらたんですか?
その頃働いていた職場には、気持ちの温かい、本当に尊敬できる方が多くて。もうダメだとなりそうなときも、会社や施設の先輩に相談しやすい環境だったから乗り越えられました。
最初から介護職は派遣で働き始めてましたか?
そうですね。紹介予定派遣で二ヵ月くらいの派遣期間を経て直接雇用になり、一年半ぐらいやらせてもらいました。夜勤が体に合わず、少し体を壊してお休みしていたときもありました。 自分に合った働き方って何なんだろう、と考えて、社員として施設で働くと安定すると思うんですけど、体にガタが来るかもしれない。自分に合ってるのか、今も派遣でやらせていただいてます。
初めて介護職につく、もしくはその後派遣として働かれたとき、仕事選びの条件に人の部分を意識されたのですか?
そうですね。入ってみて違うなと思ったらまた別の所を紹介していただくという感じです。実際働いてみて、尊敬できる人がこんなにたくさんいるんだと介護のイメージが変わり、最初の施設に決めて直接雇用になりました。 その後、二ヵ月経つけどうち来るよね?と言われ、お願いしますと答えました。どんな人がいてもここでこういうこと頑張れたらいいやと思えたからこそ、言えたのかもしれません。
最初に入った特養と、今勤めている老健。どういう違いがありますか?
特養は要介護3の方から利用可能で、要介護4・5の方が多く利用されています。利用者が必要とする生活全体のサービスが求められる分、基礎的なことはそこで学ばせていただくことができました。一方で老健は、病院と特養の中間に位置する中間施設と呼ばれていて、特徴としてはリハビリテーションが生活に組み込まれており、日常生活でもリハビリを意識した支援をしています。特養では全介助の方が多いのに対し、老健ではできることは自分でやってもらうスタイル。それぞれに良さがあり、同じ介護でも全く違うなと感じました。
どういう風に仕事を探し始めたのですか。
「介護・東京・求人」で検索、さらに未経験で探したら派遣会社の求人が出て、応募して良さそうだと思ったらそのまま施設の方と面談して、という流れでした。2社目が、少し違うと思って。どうしようかと探したらきらケアさんのサイトが出てきて、良さそうだと感じました。
ありがとうございます。弊社のナカヤマという者が担当だったのですが、何かエピソードがあれば教えてください。
たまに電話でのやり取りもさせていただくんですけど、その中で「何か困ってることとかないですか?」って聞いてくれる。給料面でも、資格を取ったらそちらベースのお給料があり、施設さんとの交渉といった業務的なサポートも素早くやってくださるから安心できます。
きらケアを使って仕事探しをされるときの条件は?
お給料より働く環境メインが良いとお伝えしたら、見事それに適った職場を紹介してくださいました。
働ける環境は、実際に見ないと分からない部分があるのですか?それとも、ナカヤマからの話で判断できた部分が大きかったのですか?
実際に見たとき、職員さんが落ち着いているし、利用者さんも皆楽しそうで、ちゃんと行き届いてる所なんだなと思い、そこでお願いしました。結果的には見学ですかね。
今の仕事のやりがいをもう少し聞かせていただいてもよろしいですか?
もう他の特養に行かれたのですが、老健からいらっしゃった方がナースコール頻回だったりご家族も面会に来られない方で、大変でした。「俺なんて生きててもしょうがない。誰も迎えに来てくれない」と話し出して。もともと自衛隊にいた方で、何言ってんの、そういう話するの好きなのにって言ったらすごく泣いてしまって。「そんなこと言ってくれるのお前しかいないよ」って。「心配してくれる人がいるんだ」って少しでも思ってくれたなら、良かったと。最後、「本当に感謝してる、ありがとな」と言って出て行かれ、嬉しいなと思いました。
キャリアについてどう考えてますか?
今初任者研修に行ってて、介護福祉士まで取れたらいいと思ってます。無理せずやっていけたらいいかなと。
介護福祉士の資格を取れたらこういうことをやってみたい、というのはありますか?
病院出身の先輩が多くて、病院の看護助手のお仕事もすごくいい経験になりそうだなと。まだ2年目ぐらいなので、もっと周りが見えたり技術もある程度できるようになったらそういった所で働くのも良いと思ってますね。
最後ですが、これから介護の仕事をしようとか、派遣として働こうとか、転職をしようという方たち、そこから一歩を踏み出せない方、未経験でいきなり介護という方に向けて、アドバイスできることがあれば。
介護ってきつい・汚い・大変というイメージが未だに強いと思います。確かに大変な部分もありますが、ダメだったら辞めればいいし、1回やってみてもいいかと。本当に合う人にはやりがいもあるし、看取りで最後まで見送るのは他の仕事ではできない。しかも無資格・未経験からスタートしてそういう場面に出くわすのはなかなかない。介護を通していろいろな経験や知識が増えますし、本当に興味があるのなら入ってみてもいいと思います。あと福利厚生がしっかりしていて、連休も取りやすい。夏休み・冬休みのほか、一か月の内3日間公休が取れるし、休日と有給を合わせれば一週間ぐらい休めます。
編集部より
木村さまへのインタビューは、介護職のマイナスイメージを払拭するものでした。きつい・汚い・大変。理想と現実のギャップを感じたほどの厳しい環境で、何故働き続けるのか。家族となかなか会えず、問題行動を起こしていた利用者さまとのコミュニケーションによって、木村さまはやりがいを見つけました。無力感を抱く利用者さまに、木村さまはあなたのこんな所が好きですよ、と語りかけることで元気づけています。ただ快適に過ごせるようにするだけでなく、人から必要とされる喜びをもたらすのが介護の本質なのだと思いました。「看護助手のお仕事もすごくいい経験になりそう」。将来の展望を熱心に語る様子から、仕事への愛情が伝わってきます。