日本は高齢化により介護の需要が増し続けており、介護士の数も増えています。それでも、介護業界は現在も人手不足が深刻な課題となっており、今後もこの流れは続くと予想されています。 このコラムでは、介護業界が人手不足にある原因と、解消する対策や具体案についてまとめました。

【 目次 】

介護業界が人手不足にある背景は深刻な少子高齢化

介護業界が人手不足にある背景のひとつが、少子高齢化による介護人材の減少です。

日本は高齢化が進んでいます。日本の総人口は2019年時点で1億2,617万人。65歳以上の高齢者人口は3,589万人で、高齢化率は28.4%です。今後も高齢者人口の割合は増えていき、2065年には高齢化率が38%を超えると推測されています。

また、介護が必要な高齢者人口の増加に対し、介護職として活躍する可能性がある若者の数も少子化により減少しています。2025年度には、約55万人の介護人材が不足すると言われています。

令和元年度の「介護労働実態調査」の結果によると、介護人材の不足感は全体で65.3%と高い数値が算出されました。介護業界で人材を確保するためにも、事業所側は採用と定着に注力する必要があります。

出典
内閣府「 令和2年版高齢社会白書(概要版) 第1章 第1節 高齢化の状況 」
厚生労働省「第7期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について」
公益財団法人 介護労働安定センター「令和元年度「介護労働実態調査」の結果」

介護業界が人手不足の原因とは?

介護業界が人手不足にあることには、下記のような原因が挙げられます。

人材の採用が難しいから

令和元年度の「介護労働実態調査」によると、人材不足に対して「採用が困難である」と回答した事業所は90.0%でした。その原因として「同業他社との人材獲得競争が厳しい」と回答した割合は57.9%です。介護業界の中でも、競合他社との人材獲得が課題となっていると考えられます。

介護職に対するイメージが良くないから

介護職に対してネガティブなイメージを抱いている人も多く、未経験者が介護業界に進出する上でのハードルは高いです。介護の仕事には、3K(きつい・きたない・きけん)というイメージがあり、新規参入者がためらってしまうのが現状といえます。世間によるネガティブなイメージを、いかに払拭するかが今後の課題となるでしょう。

介護職の評価や待遇が悪いから

介護職の給与や待遇、社会的評価は、ほかの職業と比較すると低い傾向にあります。資本金2,000万円未満の株式会社における平均年収は425万円で、介護職員の平均年収は約380万円です。業務への頑張りに対して受け取れる給与が少ないと感じる介護職員も多いと考えられるでしょう。

また、介護は人に接する仕事のため、すべてがマニュアル通りにいく訳ではありません。緊急時の対応が求められると希望の休みを取りにくくなってしまう可能性があります。実際、介護業界で働いている人の悩みには、「仕事内容のわりに賃金が低い」が39.8%、「有給休暇が取りにくい」が27.6 %を占めているのが現状です。

人間関係が良くない介護現場があるから

介護現場では、ご利用者やご家族、職場の職員、医療機関のスタッフ、地域の人々など、幅広い人と関わります。多くの人と関わる仕事なのに人間関係がうまくいかなかったり、職場の職員と意見が食い違ったりすると、居心地の悪さから退職につながる場合もあるようです。円滑に業務を進めるには、職場における人間関係も重要なポイントになるでしょう。

出典
公益財団法人 介護労働安定センター「令和元年度「介護労働実態調査」の結果 」
国税庁「 1.平均給与」
厚生労働省「 令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」

介護業界の人手不足問題を解決するには?

介護業界の人手不足を解決するには、労働環境の整備や人材の呼び戻しといった対策を行う必要があります。介護職の人手不足問題を解消する方法は、以下の通りです。

職員が働きやすい環境を整備する

介護ロボットの導入やICTの活用をし、職員の働きやすさと生産性の向上を目指しましょう。職場のIT化を進めれば、ご利用者への対応時間を増やせたり、身体的な負担を減らせたりできます。職員が働きやすいと感じる環境を整備することで、人材の定着や離職防止につなげられるでしょう。

【取り組み事例】

資格取得支援制度を強化する

資格取得支援制度がないところでは導入を検討し、導入しているところではさらなる内容の充実化を目指しましょう。資格取得支援制度があれば、応募者に働きながら資格取得を実現できることをアピールできます。資格取得に必要な費用を一部または全額負担すれば、人材のスキルアップと定着に期待できるでしょう。

中高年者の新規参入や呼び戻しに注力する

中高年者をターゲットに、新規参入や呼び戻しを行うのも、人材不足を解消する方法の1つです。地域社会と連携を図り、介護に関心の高い中高年者の参入を促しましょう。過去に介護業界で働いていた経験がある人なら、戦力としての活躍を期待できます。ブランクがあっても職場全体で支えられるよう、サポート体制を強化することが重要です。

外国人人材を積極的に受け入れる

外国人の介護職を受け入れれば、さらなる人材確保につながるでしょう。令和元年度の「介護労働実態調査」によると、外国人労働者を受け入れている事業所は全体で6.6%となっています。実際に外国人介護職を受け入れている事業所では、「職場に活気がでる」「ご利用者が喜んでいる」といったポジティブな印象を与えているようです。

【取り組み事例】

介護業界に特化した採用支援サービスを利用する

人材を確保するなら、介護業界に特化した採用支援サービスを利用するのも1つの手です。介護業界に特化している採用支援なら、「介護職になりたい人」と「介護職を採用したい事業所」のそれぞれの希望をマッチングし、雇用へとつなげられます。

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