人手不足が深刻化する介護業界において、外国人の採用は喫緊の課題です。広島県尾道市の生口島にある社会福祉法人新生福祉会では、タイやインドネシアから技能実習生を積極的に受け入れています。受け入れによってどんなメリットがあったのか、今後の外国人採用の展望などを特別養護老人ホーム楽生苑副施設長の小林様に伺いました。

プロフィール

技能実習生の受け入れで島しょ部の人材不足を解決!地域を支える外国人採用のナレッジ-社会福祉法人新生福祉会-
小林 雅洋 様

社会福祉法人新生福祉会 特別養護老人ホーム楽生苑 副施設長

2000年社会福祉法人新生福祉会に入職。2015年に特別養護老人ホーム楽生苑の副施設長に就任。法人本部の総務課長も兼務し、技能実習生のサポートにも携わっている。

「若者はみんな島を出て行ってしまう」深刻化する介護人材の不足

――外国人採用を始めようと思ったきっかけを教えてください。

 当法人は瀬戸内海に浮かぶ生口島にあります。若い人は1度は島を出たいという思いが強く、多くの若者が島の外で就職してしまうので、募集をかけても職員が集まりづらい状況が続いていました。今後、人手不足がさらに深刻になることを考えると、日本人だけではなく外国人人材の力を借りていくことが必要だと感じました。

――これまでに何人の方を受け入れていますか?

 法人全体で計11人の技能実習生を受け入れています。最初は2018年にタイ人2名を受け入れ、その翌年以降も監理団体を通じてタイ人1名、インドネシア人8名を受け入れました。うち1名は家庭の事情ですでに帰国しているものの、その他の実習生は継続して働いてもらっています。

――受け入れに関して、現場からどのような反応がありましたか?

技能実習生に限らず、外国人の採用自体がまったく初めてだったので、現場の職員の間では「本当に外国人の方が来て、きちんと働いてくれるんだろうか?」「日本語は通じるの?話せるの?」といった不安が大きかったと思います。現場職員の不安を解消するために、職員全体会議を開き、技能実習生を受け入れる目的をしっかり伝えました。 技能実習生の在留可能期間は最長5年です。職員が「せっかく教えてもいつかは帰国してしまう」「お金を稼ぐために日本に来ている」という印象を受ければ、丁寧に指導をするモチベーションが下がってしまいます。お互いがなあなあになってしまうことを避けるために「介護の技術をしっかり教えてあげれば、帰国しても身に付けた技能を活かして本国で活躍してもらうことができる。技能実習生の受け入れは国際貢献にもつながるんだ」ということをしっかり伝えましたね。また、2019年4月から新たな在留資格特定技能の制度が開始されたので、「楽生苑を気に入ってもらえば特定技能の在留資格を取得して、もっと長く働いてもらえるんだ」とも話しています。

「海を渡ってきただけのことはある」仕事への真摯な姿勢はほかの職員の模範に

――どのように教育を行いましたか?

 まず、年間を通してどのように教育していくのか、計画を立てました。「着脱介助」「移動介助」「食事介助」といった介護技術を身に付ける期間は、日本人の新人職員が入職した場合と比べて約2倍と長めに設定し、技能実習生にじっくり学んでもらうようにしました。

 指導方法については、最初はいきなり現場に入ってもらって業務を行いながらマンツーマンで指導していたのですが、説明に時間がかかりすぎてなかなか実践まで至らないことが分かりました。そこで、1日の始めに1時間ほど、座学で研修の時間を確保しました。その日に学んでもらう介護技術を説明してから現場で実践してもらったところ、スムーズに進むようになっています。

――受け入れにあたって気を付けたことは何ですか?

 生活が充実していないと仕事にも影響するので、生活面のケアには気を配りました。とりあえずボストンバッグ1つで来日してもすぐに生活ができるよう、寮に家電や日用品などの生活必需品を一通り揃えました。母国にいる家族や友達が恋しくなることもあるでしょうから、携帯電話やパソコンで連絡を取れるように、寮にはWi-Fi環境も整備しました。

 また、生活面に関する技能実習生からの要望もできる限り叶えられるようにしています。たとえば、最初は1部屋を2人でシェアしてもらっていたのですが、「プライベートな空間が欲しい」という声があったので、部屋をパーテーションで2つに区切れるようにしました。1から10まですべて希望通りというわけにはいきませんが、快適に生活してもらえるように尽力しています。

――技能実習生を受け入れるメリット、デメリットはどんなところでしょうか? 

実習生は本当に素直で一生懸命働いてくれています。施設の人員の充足にもつながっているので正直メリットばかりです。実習生は覚悟を持って海を渡って来ているだけあって、生半可な気持ちではなく、真面目に仕事に取り組んでくれていると感じます。デメリットは特に感じたことはないです。仕事に対する真摯な姿勢はほかの日本人職員にもいい影響を与えていると思います。

技能実習生の受け入れで島しょ部の人材不足を解決!地域を支える外国人採用のナレッジ-社会福祉法人新生福祉会-
▲技能実習生は現場にもすんなりなじみ、ほかの職員や入居者さまからも愛される存在に

外国人は今後の介護業界を支える貴重な存在

――今後も外国人採用を続けていく予定はありますか?

今後は技能実習生とともに、特定技能1号の方を受け入れていきたいです。実は、当法人は2021年11月に東京都足立区で特別養護老人ホームを開設します。現在は開設に向けて、新たな人員確保のために積極的に外国人採用を進めているところです。採用後は生口島で介護技術を身に付けてもらい、一定の習熟度に達したら東京都の施設に異動してもらったうえで、介護業務を担ってもらえればと考えています。

 ――ほかの施設の方に伝えたいことはありますか?

外国人の方は固い決意を持って来日されている方がほとんどです。本当に頑張って働いてくれますし、きちんと教えてあげればすぐに仕事もこなせるようになります。 学習能力が高い優秀な人材はすぐに受け入れ先が決まってしまいますから、外国人採用を検討しているのであれば早めに動くことが大切だと思います。今後はさらに介護人材が不足することが分かっています。介護業界にとって、外国人人材は今以上に欠かせない存在になってくるはずです。

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