「自分自身やプライベートも大切に働きたい」という価値観が一般的になってきている昨今。介護業界も例外ではなく、採用や定着を強化するには、【福利厚生の充実】が大変重要な要素と言えます。日本全体で労働力人口が減少していく中、自社を選んでもらうための工夫は欠かせません。この記事では、福利厚生の概要や充実させるメリット、介護職員に人気の福利厚生などをご紹介します。
【 目次 】福利厚生とは
福利厚生とは、従業員とその家族の暮らしや健康を支えたり、労働環境を整えるために企業から支給される賃金以外の報酬のことです。福利厚生は、「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類が存在します。
法定福利厚生
「法定福利厚生」は、法律で定められた福利厚生で、実施が義務付けられています。雇用保険、健康保険、介護保険、労災保険、厚生年金保険などが含まれます。
法定外福利厚生
「法定外福利厚生」は、企業が独自に実施する福利厚生です。住宅手当や通勤手当、家族手当、部活動の補助などがあります。
介護事業所で福利厚生を充実させるメリット
福利厚生は、職員が体と心を健康に保ちながらいきいきと働き続けられるようサポートすることが目的です。ここでは、福利厚生を充実させることのメリットをご紹介します。
1.採用面で有利になる
福利厚生を充実させると、採用面で有利になります。求職者は、「給与」や「勤務地」のほかに「福利厚生」を企業選びの軸としていることも多く、福利厚生の充実は人材確保に有効です。

こちらは、レバレジーズメディカルケアが行ったアンケートの結果です。現在介護士として働いている方約2000名に「もう一度介護士として就職・転職するときの軸」を伺った結果、給与や勤務地よりは少ないものの、30%以上の方が「福利厚生」と回答しました。 「人間関係」や「職場環境」もランクインしており、どちらも求職者にとってもっとも重要な項目ですが、入社前に判断することが難しい部分です。よって、入職前の検討材料として求職者にとって有効なのは「福利厚生」の項目ということになります。
例えば、給与は同じくらいで通勤時間もほぼ変わらないA施設とB施設があるとします。A施設は最低限の法定外福利厚生のみ、B施設は法定休暇のほか福利厚生としてリフレッシュ休暇制度を実施しています。このような場合、求職者にとって魅力的なのは、当然B施設です。
2.人材が定着しやすくなる
福利厚生の充実は、職員の満足度が向上し、人材の定着につながります。
介護職は勤務時間が不規則で生活が乱れ、体調を崩しやすい環境にあります。給与もなかなか上がらず、余裕のない生活を送っているという方も多いです。手当のために無理をして夜勤に入っているという声もよく伺います。介護職員には、自己責任では対処しきれないほどのストレスがかかっているのです。
心と体の健康が保たれないと、モチベーションやパフォーマンスが下がってしまいます。そして、「自分たち職員を守ってくれない施設に居続ける必要はない」と、離職してしまうことは想像に難くないでしょう。
反対に、職員が求める生活や健康のサポートを積極的に行えば、職員の満足度は向上し、「もっとがんばろう」というモチベーションや「ここで働き続けたい」という愛着や忠誠心に繋がります。
定着を促すためには、「職業柄しょうがない、自己責任だ」と放置せず、職員想いの福利厚生を実施することが重要なのです。
介護職員に人気の福利厚生
福利厚生の充実は大変重要ですが、それなりのコストがかかるため、使ってもらわなければ意味がありません。ここでは、介護職員に人気の福利厚生をご紹介します。
研修や資格取得支援制度
育成や加算のために、研修の受講費や資格取得にかかる費用をサポートする法人は多いです。スキルアップやキャリアアップに前向きな職員にとって魅力的な制度です。初任者研修と実務者研修の取得までの受講料のサポートが多いですが、中には介護福祉士やケアマネージャー試験の受験料や教材費の支援を行うような法人もあります。
自社に欲しい人物像に合わせて、サポート範囲を調整するとよいでしょう。
社員寮、社宅、住宅手当、家賃補助
職員の暮らしを支える制度です。金銭面での助けになるほか、不規則な働き方になる介護職員にとって、通勤が楽になるというのは大きなメリットです。
ほとんどの法人では、「家賃の半分までで、◯円まで」「入社◯年まで」などの条件を設けています。
食事補助
昼食代の補助や、夕食・朝食の現物支給、利用者さま向けの食事を社員価格で提供する、などがメジャーです。 周辺にコンビニや飲食店がないために食事の準備に苦労する職員は多く、食事補助は職員に喜ばれる制度と言えます。
健康診断の補助、インフルエンザの予防接種
健康診断のオプションや人間ドック、インフルエンザの予防接種などの健康に関する福利厚生は、体が資本の職員にとって喜ばれる福利厚生です。
特別休暇制度
ワークライフバランスを整えるため、独自の休暇制度を取っている事業所も増えてきました。結婚や弔慰のための休暇(結婚休暇、忌引き休暇)や年に3~5日ほどのリフレッシュ休暇などがメジャーです。また、自分や子供の誕生日や結婚記念日などに休暇が取れる、アニバーサリー休暇を導入している法人もあります。
子育てや介護のサポート
介護職員の離職理由のうち、もっとも多いのが出産や介護による離職です。優秀な職員がライフスタイルの変化で離職することがないよう、子育てや介護のサポートを行う法人が増えています。育児休業や、看護休暇、介護休暇、夜勤制限、時短勤務、施設内託児所の設置、ベビーシッター補助金、保育園補助金などがあります。
慶弔見舞金
職員本人やその家族にお祝い事や不幸があった際に支払う慶弔見舞金は、多くの企業が取り入れる福利厚生です。結婚祝いや出産祝い、死亡弔慰金、傷病見舞金などがメジャーです。また、ユニークな取り組みとして失恋見舞いや親孝行休暇などを取り入れる法人もあります。
マッサージや整体、針などの腰痛対策
介護職の職業病ともいえる腰痛は、勤怠不良や離職の原因になるため、福利厚生の中で対策している法人も増えています。マッサージ師や整体師に定期的に来てもらったり、通院時の費用を負担したり、腰痛ベルトやコルセットを無料で配布したりといった取り組みを行います。
関連記事
レバレジーズメディカルケアは介護士の採用から定着までをサポートします
レバレジーズメディカルケアは、人材の供給だけではなく、施設の定着率向上の支援も行っています。
採用から定着までを一貫してサポートすることで「就業者の働きやすい環境づくり」「事業者の適切な運営」「利用者が満足するサービスを受けいられる状態」を実現し、医療/介護業界の人材不足解消に貢献してまいります。
資料請求などは下記のフォームからお問い合わせください。
離職防止や定着について相談をしてみる採用に関するお悩みはこちら
お問い合わせは「レバウェル介護」まで
よろしくお願いします。