同じ職場で働いている職員が結婚をし、夫婦で勤務している施設があることは良く耳にします。そんな中で、育休後に復帰する予定の職員が退職してしまうという悩みを抱えている事業所も少なくないでしょう。その対策として『夫婦応援制度』を開始した「高齢者ケアセンター大仙もずの音」では、制度を導入したおかげで育休後の退職がゼロとなったそうです。『夫婦応援制度』の具体的な内容や思わぬ効果について、施設長の吉田様に伺いました。

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プロフィール

出産後の退職をなくしたい!『夫婦応援制度』で子育て中の職員をサポート‐社会福祉法人みささぎ会‐
吉田 啓太 様

社会福祉法人みささぎ会 高齢者ケアセンター大仙もずの音 (施設長)

福祉大学を卒業し、社会福祉法人みささぎ会へ入職。介護福祉士、社会福祉士、ケアマネジャーの免許を活かし現場職員として勤務。2012年「高齢者ケアセンター大仙もずの音」の開設と当時に施設長に就任し、施設の管理業務と人材採用業務に携わっている。

「育休後の退職を防ぎたい」夫婦応援制度を開始したきっかけ

――『夫婦応援制度』の取り組みを始めたきっかけは何ですか?

当法人では社内の職員同士で結婚に至ることが比較的多いのですが、育休明けに夫婦のどちらかが退職するというケースが年に1~2回あったためです。法人としても社内恋愛は応援していましたし、何より当法人に戻って来てほしいという想いから、2015年に『夫婦応援制度』を開始しました。育休後、大半のご夫婦はどちらかが非常勤になりますが、そうすると世帯年収が下がってしまいます。無理のない勤務形態で仕事を続けつつ、下がってしまう分の給与をサポートするためにこの制度を考えました。

――『夫婦応援制度』について具体的な内容を教えてください。

金銭的なサポートとして、毎年年度末に最大30万円を現金支給しています。対象となる職員は、法人内で夫婦で勤務をしていて、夫婦のどちらかが常勤、もう一方が非常勤として働いている方です。30万円の内訳は詳しく決まっていませんが、常勤との年収の差を少しでも埋められたらと思い、ボーナス1回分くらいの金額を設定しました。

子育てを応援しようという風土を作ることが成功の秘訣

――ご夫婦で在籍されている職員の方への配慮の仕方や工夫について教えてください。

施設内では配属フロアを変えたり、法人内では配属施設を変えたりする工夫をしています。また、「2人とも夜勤だと子どもが1人になってしまう」という職員もいるので、シフトを組む際はフロア内の職員だけでなく、夫婦同士の勤務状況も考慮しながら調整しています。ただ、こういった対応をするためには、『夫婦応援制度』が対象外の職員にも理解を得なければなりません。家庭の状況によるものなど、公平性を保つことが難しい制度を導入するときは、その制度の目的や施設の考えを職員に説明することが重要です。

――実際に『夫婦応援制度』を開始する際、制度対象外の方からの反応はいかがでしたか?

当法人創始者の方針である「子どもは社会の財産」という風土が法人開設時からずっと続いているので、制度対象外の職員も自然に受け入れてくれましたね。法人設立時から子育てを応援しており、在籍している職員も子育てと仕事を両立することに理解のある方ばかりです。制度の内容についても「育休後に退職せず、戻って来てくれそう!」と前向きに考えてくれる職員が多かった印象です。

出産後の退職をなくしたい!『夫婦応援制度』で子育て中の職員をサポート‐社会福祉法人みささぎ会‐
▲福利厚生をまとめた冊子を作成! 職員に『夫婦応援制度』の目的や内容を伝えています

育休後の復帰率は100%に!入職者の増加というメリットも

――『夫婦応援制度』の導入によってどんな効果が得られましたか?

夫婦で働いている職員の産休・育休後の復帰率が100%になりました。さらに、2017年から3年程は育休明けに復帰した職員の退職も発生していません。これは、『夫婦応援制度』の導入によって、子育てをしながら不安なく働ける環境が整えられた結果だと思います。

――当初予想していた以外の効果はありましたか?

退職者の減少と同時に入職者の増加という効果もありました。『夫婦応援制度』により他介護施設や他業界から夫婦で働きたいと入職を希望する人が増加しました。現在『夫婦応援制度』を利用している職員が10組在籍していますが、そのうちの3組は元からご夫婦で在籍されていた方ではなく後からパートナーが入職された方です。さらに、制度対象外ではありますが、職員の中には自身の親や子どもと一緒に働きたいと希望する職員も現れました。一例として、ある女性職員は息子様と義娘様を紹介してくれ、実際にお二人とも当法人内で働いています。2020年10月現在、親子で勤務している職員は法人内で3組もいるんですよ。

親子応援制度は導入していないにも関わらず、すすんで身内の紹介をしてくれるのは、入職前後のギャップの少なさから「信頼できる職場」だと職員が思ってくれているからだと思います。また、『夫婦応援制度』の導入によって「働きやすい職場」と認識してくれている効果でもあると思っています。『夫婦応援制度』を導入したことで、育休後の復帰率を上げられただけでなく、新たに入職を希望される方も増えたのはうれしい誤算でしたね。

――職員からご家族をご紹介していただく際、採用時に注意していることはありますか?

元々働いている職員からの紹介であれば信頼できますし、入職を希望されているご本人の雰囲気などは職員から聞けるので特段意識していることはありません。ただ、できるだけ不安なく入職していただきたいので、ご本人から希望があれば職場体験をしてもらっていますね。職場体験では特にルールなどは設けず、気軽に何でも聞ける場としています。

「夫婦で働く職員を応援する気持ちがあるか」をまず確かめて

――今後の『夫婦応援制度』の運用について考えていることはありますか?

今後は常勤同士の夫婦への適用も考えていきたいですね。また、親子に対しての応援制度も導入できればと考えています。『夫婦応援制度』の導入によって入職者が増加したので、この制度を強化すればより人手を増やせるのではないかと思っています。

――『夫婦応援制度』を取り入れたいと考えている事業所様へメッセージをお願いします。

人材確保のためだけに制度を運用するのではなく、「夫婦で働く職員や子育て中の職員を応援したい」という想いが大切です。『夫婦応援制度』は活用する職員が増えるほど、お子さまの都合で突然のお休みが発生する可能性のある職員の数が増えていくので、目先のことを考えるとデメリットに感じる場合もあるかもしれません。しかし、長期的に考えれば職員の増加や離職率低減にもなり、職場全体のメリットになります。

法人や施設全体で「夫婦や子育てを応援しよう」という想いを伝え続けることで、自ずと特別な制度にも理解が得られる環境が整うはずです。

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