「従業員エンゲージメント」という言葉をご存じでしょうか。聞き慣れない言葉かもしれませんが、従業員エンゲージメントが向上すれば離職防止や定着に繋がるといわれており、昨今注目されている考え方です。特に、医療・介護の現場はチームワークがなによりも重要。従業員エンゲージメントを高めることで、よりよいケアや強い組織づくりに繋がります。この記事では、介護業界の方が知っておきたい「従業員エンゲージメント」についてご紹介します。
【 目次 】従業員エンゲージメントとは
従業員エンゲージメントとは、所属する組織に対し、従業員が自発的に貢献しようとする意欲や熱意のことを言います。「ロイヤリティ」や「従業員満足度」と混同されがちですが、これらは従業員側から見た一方的な指標です。対して、従業員エンゲージメントは、従業員側の「貢献意欲」を問われるものであり、企業と従業員がお互いにポジティブな影響を与え合っている状態を指します。
介護事業所が従業員エンゲージメントを高めるメリット
従業員エンゲージメントの向上は、さまざまなメリットがあります。
離職率が低下する
従業員エンゲージメントの向上は、離職率低下につながります。従業員エンゲージメントが高い職員は、所属する法人に対する信頼度が高く、仕事に対してもやりがいと誇りを持っています。そのため、法人や仕事に対する不満を抱きづらく、突発的な退職は起きづらいと言えます。
エリアにもよるものの、介護の転職市場は”超”売り手市場です。転職先候補が豊富にあるため、「ここを辞めてもすぐに転職先は見つかるだろう」と考えてしまう介護職員も少なからずいます。優秀な職員が流出してしまわないよう、従業員エンゲージメントを高める取り組みが必要です。
モチベーションやサービスの質が向上する
従業員エンゲージメントが高まれば、職員が所属する法人に対し自発的に「貢献したい」と考え、仕事に対するモチベーションが高まります。モチベーションが高まれば、高い目標を掲げたり積極的に業務にあたるようになるため、サービスの質も向上します。
職場の雰囲気がよくなる
従業員エンゲージメントが高く、法人への信頼度や仕事への熱意があると、職員同士の士気も高まります。その結果、職員同士の信頼度も高まり、風通しがよく、働きやすい環境が整います。
従業員エンゲージメントを高める方法
従業員エンゲージメントは、自然に高くなるものではなく、法人側からアクションする必要があります。
法人理念を浸透させる
従業員エンゲージメントを高める上で重要なポイントが、法人理念を浸透、共感させることです。前述でご紹介した通り、従業員エンゲージメントの考え方では、法人と職員の立場は対等です。理念に共感できなければ、職員は「この法人に貢献したい」とは思わず、心は離れていきます。突然退職したいと申し出があっても不思議ではありません。まずは、理念の浸透から意識してアクションしてみてはいかがでしょうか。
【取り組み事例】
ガゼル株式会社では、組織拡大のタイミングで一体感のある組織を目指してさまざまな取り組みを中長期で行っています。「理念の浸透」も取り組みのひとつで、半年に一度フォローアップ研修を開催しています。
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入社時はどのスタッフも意識していたと思いますが、日々の業務に追われれば、その心構えができなくなってくることもあります。そういった状況が続けば、相手を配慮することや、チームワークを大切にした言動ができなくなり、弱い組織になってしまいます。スタッフ全員が基本理念に立ち返って、日々意識しながら仕事に取り組んでほしいという想いから、各施設を回って「理念研修」を行い、私の口からしっかりと全職員に伝えるようにしました。
人材育成と働き方改革を目標に取り組んだ組織改革~五十六計画とは~-ガゼル株式会社- きらケア研究所
ワークライフバランスを整える
仕事にやりがいを感じるには多少の忙しさは必要ですが、体も心も休ませる暇がないほどの忙しさは逆にやりがいを失わせます。職員が前向きに働けるようにするには、 「ムリ」や「ムダ」をなくすような工夫が必要です。
【取り組み事例】
特別養護老人ホームしょうじゅの里小野では、「介護をもっと休める仕事にしたい」という明確なビジョンを持ち、週休3日制を導入しています。
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休めないことを「仕方がない」と受け止めるのではなく、大変な仕事だからこそしっかり休み、心身ともにリフレッシュすることを大切にしていってほしいです。そのための手段の一つとして、週休3日制は有効であり、興味があるなら導入を検討するのもいいと思います。
介護をもっと休める仕事に 週休3日で理想のワークライフバランスを叶える-社会福祉法人兼愛会 特別養護老人ホームしょうじゅの里小野- きらケア研究所
人事評価制度を整備する
自分のスキルや価値観と合わない仕事を続けると、モチベーションは下がり、従業員エンゲージメントも下がってしまいます。納得感のある人事評価制度を用いてスキルや適性を見極め、適切なポジションへ人材を配置できるような取り組みが必要です。
【取り組み事例】
株式会社アール・ケアでは、「仕事に対する姿勢重視」という珍しい人事評価制度を確立している法人です。仕事に取り組む姿勢と行動の優れた職員が昇格できる仕組みを作ることで、職場環境の改善も実現しています。
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「情意考課」を取り入れたことにより、現場の人間関係の改善につながっていると感じます。以前と比べ、特定の事業所で「入職した人が続けざまに3人辞めてしまう」というような、職場環境に起因するトラブルがなくなりました。そのため、人間関係による離職が減り、定着率のアップにもつながっていると感じます。
情意考課を取り入れた、“仕事に対する姿勢重視”の人事評価制度のノウハウ-株式会社アール・ケア- きらケア研究所
医療・介護特化のマネジメントサポートサービス
きらケアを運営するレバレジーズメディカルケアのマネジメントサポートサービスは、医療・介護型の離職防止・離職リスク対策のサービスです。
職員一人ひとりの離職予測がわかるだけではなく、組織全体の傾向や、適切な対策まで知ることでき、「介護士さんが働きやすい環境づくり」が叶います。

離職予測算出システムでは、社内アンケートや入社年数・年齢などの個人情報から離職者予測を算出し、職員一人ひとりの離職リスクや組織全体の傾向を見ることができます。これにより、フォローが必要な人に適切な対策を取ることが可能になります。
また、離職リスクのある職員やチームに対して、どのような対策が必要かのご提案や、実行・効果検証のサポートも行なっています。
「対策を立案してもリソースや経験がなく実行できない」「さまざまな施策を実践したが、結局どれが有効だったかわからない」というのは、よくある話です。
無駄なリソースを割くことなく、適切に施策実行・検証をすることで、根本的な課題解決を目指しましょう。
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利用者様の声
いつも急な離職希望が多かったのですが、未然にキャッチできるようになりました!職員へアンケートを実施し、モチベーションを可視化することができました。その結果、離職リスクのある職員を未然にキャッチすることができ、社員一人ひとり個別の対応を行うことができています。(有料老人ホーム / 人事責任者)
出典: https://leverages-medicalcare.jp
管理職のフォロースキルが欠如していることに気づきました!組織の課題を洗い出していただいた際に、管理職のフォロースキルが欠如していることが表面化しました。その後、個別面談の方法をレクチャーいただき、職員の本音を知る有意義な面談を行うことができています。(特別養護老人ホーム / 施設長)
出典: https://leverages-medicalcare.jp
また、その他にも採用や組織力向上のためのセミナーサービス、資金調達のためのコストカット支援も行なっております。
レバレジーズメディカルケアは、人材の供給だけではなく、施設の定着率向上までを一貫してサポートすることで「就業者の働きやすい環境づくり」「事業者の適切な運営」「利用者が満足するサービスを受けいられる状態」を実現し、医療/介護業界の人材不足解消に貢献してまいります。
資料請求などは下記のフォームからお問い合わせください。
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よろしくお願いします。