特別養護老人ホーム青都荘では、毎週土曜日の23時より、大阪市中央区のコミュニティFM局YES・fm(FM78.1MHz)にて介護の魅力を発信するラジオ放送を行っています。番組の名前は「Seitoso Grand;ma チャンネル」。施設長の宮本様に、ラジオを始めた経緯や目標、放送後の効果についてお話を伺いました。

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プロフィール

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宮本 まや様

社会福祉法人 青野ヶ原福祉会 特別養護老人ホーム 青都荘 施設長全国介護事業者連盟 関西支部 幹事

介護専門学校卒業後、介護福祉士として施設勤務。その後、大学へ進学し、介護専門学校の教員となる。6年前に特別養護老人ホーム青都荘へ入職し、介護現場へ復帰。3年前からは施設長として施設運営を統括している。

介護のマイナスイメージを覆し、「介護のワクワク」を伝えられるチームを作りたかった

――ラジオ放送を始めた経緯を教えてください。

同じ経営グループの学校法人でラジオ放送をしていて、当施設の事務長がその番組に出演したことがきっかけです。もともと事務長がラジオ好きということもあり、青都荘でもラジオ放送を始めることにしました。介護職は「きつい・汚い・危険・給料が安い」の4Kと言われており、マイナスのイメージばかり先行してしまっていますが、介護の仕事にはやりがいや面白さがたくさんあります。実際現場にも、介護への情熱があり、志の高い職員もいるので、そんなメンバーでラジオを通して介護の魅力を発信できればいいなと思いました。

――どんな風にメンバーを選びましたか?

ラジオ用にメンバーを集めたわけではなく、もともと青都荘内にで結成していた“Grand,ma”のメンバーで始めました。“Grand,ma”は3年ほど前に立ち上げたチームで、「介護の素晴らしさを伝えること」を使命にしています。介護現場での業務はもちろんのこと、広報や新人教育、SNSの更新も行っていて、ラジオ放送は「介護の魅力を発信する」というプロジェクトの一環です。

――“Grand,ma”結成のきっかけは何ですか?

「華やかな介護のプロフェッショナル集団」を作りたいと思ったことがきっかけです。

以前、若くて男前な理学療法士のリハビリを受けることになった利用者様が、リハビリ前に化粧をしてきたことがありました。これまでその方が化粧をしているところを見たことがなかったので、モチベーションがこんなに変わるのかと驚いたのを覚えています。私たちがかっこいい俳優やかわいいアイドルに惹かれるのと同じように、利用者様も素敵な職員がいると、頑張って立とうとしてくださったり、嫌がっていたお風呂にも入るようになったりします。もちろん、その後も関係性を持続させていくには、「見た目」や「愛嬌」だけでなく、「思いやり」や「介護の技術」がないといけません。ただ、介護業界でクローズアップされることはない「華やかさ」のようなものが、利用者さまのケアにも必要なのではないか、と以前から思っていました。

「華やかさ」は利用者様へのケアだけでなく、介護職そのものの魅力のPRにも有効だと考えて、介護技術と華やかさを兼ね備えている若手メンバーに声を掛けて、“Grand,ma”を結成しました。現在のメンバーは、マネージャーを含めて4人です。

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「介護の楽しさ」を伝えることにより、離職率が減少

――ラジオで話されているテーマや内容はどのように決めていますか?

大まかなテーマはマネージャーである事務長が決めています。介護業務に関するあるあるネタや季節に関連するものを大まかに決めていますが、正直打ち合わせは全くしていません(笑)あまり打ち合わせしない方が、お互いの反応が自然でいいというのもありますが、もともと人や話すことが好きなメンバーなので、打ち合わせをしなくても話題は尽きないですね。介護を10年以上やってきて、介護が好きで情熱を持ったメンバーで話しているので、誰かが話し出すとどんどん話が広がっていっています。

――採用・定着や職員のモチベーションアップへの効果はいかがですか?

ラジオだけではありませんが、“Grand,ma”の活動全体を通して、効果は実感しています。そもそも、当初“Grand,ma”を立ち上げたとき、離職率を下げるという具体的な目標を立てていました。実際、2018年に25%だった離職率は、2020年には13%まで下がり、以前はたびたびお願いしていた派遣職員を依頼することもほとんどなくなりました。また、当施設では、介護福祉士の資格取得率が70%を超えています。介護技術がある職員がポジティブな発信をしてくれることで、「スキルアップしよう」と思う職員が増えて、結果的に質のいいサービスの提供に繋がっていると思います。

ただ、離職率の低下や資格取得率の上昇には繋がっていますが、正直採用への効果はあまり見えてません。セラピードッグのおもちというチワワがいるのですが、面接時は「そこに惹かれた」と言ってくださる方の方が多いですね(笑)

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職員だけでなく、ご家族様にも想いが伝わる

――ラジオ放送に関して、周囲からの反応はいかがですか?

放送当初は長期的に発信することで、介護の魅力が伝わればいいと思っていたのですが、想定していたよりも職員や取引業者、利用者様のご家族からの反響がありました。話のきっかけにもなるのはもちろん、「こんなに熱い思いで介護に取り組んでいるんだと思った」と言ってくれる方もいます。職員にも利用者様のご家族様にも、普段「介護への熱い思い」を語る機会はないので、ふとした時間にラジオを通じて知ってもらえているのは嬉しいです。

また、ラジオ放送により熱く話すことで、お互いの介護観が分かるので、“Grand,ma”のメンバー同士の理解も深まっています。チームとしての結束力が高まっていますね。ほかにも、ラジオを聞いてメンバーに入りたいと言ってくれている職員もいるので、新メンバーオーディションも開催しているところです。今の男性メンバーは30代で既婚なので、「キャー!」と声が上がるような独身の男性職員がいてもいいかもしれないですね。

――今後取り組んでみたいことや展望について教えてください。

ラジオ放送を施設内で流してみたいです。現在、ラジオ放送は、土曜日の23時だけでなく金曜日の15時にも再放送をしています。ラジオはほかのことをしながら流し聞きできるので、館内放送に取り入れることで、利用者様や職員にも楽しんでもらえるのでないかと感じています。ラジオの放送日はラジオを聞きながら過ごすのは、非日常感が出て面白いんじゃないかと思っていますね。

もう一つは、本を出したいです。介護のマイナスイメージを覆すようなものを作りたいですね。写真と一緒に、介護に関するコラムや川柳といった読みやすいコンテンツがあれば、もっと介護の魅力が伝わるんじゃないかと思っています。最近はスマートフォンが普及したこともあり、本を読まない若手職員が多いですが、介護福祉士の受験勉強をする際は本が必要になります。こういった介護職と関係する手に取りやすい本が、読書のきっかけになればいいですね。そして、こうした私たちの活動を通して介護のイメージが変わり、介護の仕事を目指す人が一人でも増えてくれればうれしいなと思います。

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