半数以上が「改善を実感していない」と回答、3割からは「実感している・今後期待」の声も

レバレジーズメディカルケア株式会社が運営する介護業界に特化した人材支援サービス『きらケア』は、サービス登録者に「介護職員の待遇に関する意識調査」を実施しました。 今後超高齢社会を迎える日本において、介護職員の確保が社会問題となっています。これまでも介護職員の処遇を見直す取り組みが行われてきましたが、今年10月にも特定処遇改善加算が新設されることとなっています。そこで『きらケア』では登録者に対して同調査を行い、「介護職の待遇について改善されたと感じるか」や「介護職員がより働きやすくなるために事業所が取り組むべきことは何か」などのアンケート結果をまとめました。

調査結果サマリー

・半数以上が『直近3年以内で介護職の待遇が改善されたと感じていない』
・83.9%が『現在の介護業界への行政支援に満足していない』
・介護職員がより働きやすくなるために事業所が取り組むべきことは『給与の引き上げ』
・介護職および介護職希望者が介護業界をよりよくするために国や自治体に求めることは、
 『実際の現場を知ること』

調査概要

調査名 :介護職の待遇に関する意識調査
調査方法:Webアンケート
調査期間:2019年7月10日~2019年8月15日
調査対象:『きらケア』登録者 665名

調査結果の詳細

1、半数以上が『直近3年以内で介護職の待遇が改善されたと感じていない』と回答。『今後期待できる』は23.9%。

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  『直近3年以内で、介護職員の待遇は業界全体で改善されたと感じるか』という問いに対して、11.9%が『感じる』53.5%が『感じない』と回答しました。また、『現在は感じないが今後期待できる』が23.9%、『現在も感じないし今後も期待できない』が10.7%という回答結果となり、今後の待遇改善を期待する様子が伺えました。 さらに、『今後期待できる』と回答した理由として、『給料が少しずつ上がってきているので、今後も期待したい』『今回の特定処遇改善加算など、国が待遇改善に力を入れているので期待している』等、国の掲げる政策に期待する声が目立ちました。

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 その他、介護職の待遇改善について以下のように回答しています。

【フリーコメントより抜粋】
・『待遇が良くなったと感じる』
 「以前に比べて給与が上がった」
 「処遇改善手当がもらえるようになったことで全体的に改善されている」
 「手当がつくようになったことで働きやすくなった」

・『待遇が良くなったと感じない』
 「国は給料改善の対策をしているが、現場に還元されているかは疑問に感じる」
 「勤めてる職場によって待遇が大幅に違う」
 「一般企業の平均年収との格差がまだまだある」
 「仕事の負担を考えると給料が低すぎる」

・『現在は感じないが、今後期待できる』
 「今後社会に求められる職種であるため」
 「介護職はプロの仕事であるため待遇が変わらないといけないと思う」
 「処遇改善加算などで以前よりは改善されてきているから」

2、83.9%が『現在の介護業界への行政支援に満足していない』と回答

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 『今ある複数の介護業界への行政支援に総合的に満足しているか』という問いに対しては、16.1%が『満足している』『どちらかといえば満足している』、83.9%が『満足していない』『どちらかといえば満足していない』と回答しました。 特に訪問系で働く介護職員の満足度が高く、『満足している』『どちらかといえば満足している』合わせて30%の回答が得られました。

4-1 また、介護業界への行政支援について以下のように回答しています。

【フリーコメントより抜粋】
・『行政支援に満足している』
「介護士の給与アップなどを実施してくれている。これから更に改善されることを期待」
「処遇改善手当はすごく助かっているので、もっと支援して欲しい」
「良い案は徐々に出始めてはいるので、現場への落とし込みに期待したい」

・『行政支援に満足していない』
「事業所に裁量権を委ねている時点で企業に対する支援としか捉えられない」
「現場の意見が反映されておらず、介護現場の現状を知らないで行っている印象が強い」
「世間で話題になっているほど実際の現場では感じず、仕事内容に対して対価が低い」
「企業に還元されるが、働く者に還元されないので使い道が不透明である」

3、介護職員がより働きやすくなるために事業所が取り組むべきことは『給与の引き上げ』

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 『介護職員がより働きやすくなるために事業所が取り組むべきと思うことは何か』(複数回答可)の問いに対しては『給与の引き上げ』が最も多く、その次に『人員補充』『メンタルケア』の回答が続く結果となりました。

4、介護職および介護職希望者が介護業界をよりよくするために求めることは、『実際の現場を知ること』

 『介護業界をより良くするために国や自治体に求めることは何か』の問いに対して、最も多かった回答は『給与の引き上げ』でした。一方で、具体的な改善案を挙げるのではなく『もっと現場をみて欲しい』や『現場の意見を聞いて欲しい』などの現場に対する理解を求める声が多く寄せられ、まだ改善が必要である介護業界の実態が露わになりました。

介護職および希望者が介護業界をより良くするために国や自治体に求めること(フリーコメントより抜粋)
「待遇改善だけではなく現場にいる人の話をちゃんと聞いてほしい」
「介護職の大切さを分かってもらいたい」
「非常勤のパートやアルバイトにも、資格取得や手当てを考えてほしい」
「足を運び介護現場で働く人達の生の声を聞いて超高齢者化社会の現実を感じてもらいたい!」
「介護職員本人に届くような、支援をしてほしい」
「介護職が増えるよう魅力的な労働環境を整えること」
「介護職への本当の意味での理解や意識改革」
「介護職の悪いイメージを正し、命を預かり人生に寄り添う大切な仕事であるという魅力を伝えて欲しい」
「魅力とやり甲斐のある仕事だと思ってもらえるよう、賃金の上昇と人材育成に力を入れて欲しい」
「制度利用の際の書類の簡素化」

 今回の調査では、介護職員が国や自治体の支援を少しずつ感じながらも実際の現場をもっと理解した政策を求めていることが明らかになりました。今後『きらケア』では就職支援だけでなく、10月から新設される特定処遇改善加算の活用含め、事業所へのサポートにも力を入れ、介護業界全体を良くしていけるよう貢献していきます。