「社会福祉法人すこやか福祉会」では確実に人材を確保するため、ケアワーカー魅力発信委員会を発足し、SNS・YouTubeを活用した新たな人材確保の取り組みを行っています。その取り組み内容を本部事務局次長の中村様へお話をお伺いしました。
プロフィール

社会福祉法人すこやか福祉会 本部事務局次長
2001年、社会福祉法人すこやか福祉会へ入職。2004年から採用部門に携わる。特別養護老人ホームの事務長を経て、法人本部へ異動。法人管理業務や人事業務などをしながら、ケアワーカー魅力発信委員会を立ち上げ、若手職員と力を併せて運営に従事している。
若手職員ならではのアイデアを活かす「ケアワーカー魅力発信委員会」発足
――そもそも「ケアワーカー魅力発信委員会」ではどんなことを行っているのでしょうか?
新卒採用や今後の介護業界を担う若手職員の確保に向けた対策を行っています。約20名のメンバーのうち、半数が入社5年未満の若手職員で構成され、若手ならではのアイデアを活かし、学生や求職者に介護業界の魅力を知ってもらえるような取り組みを行っています。任期は2~3年で、定期的にメンバーを入れ替えることで、新しい取り組みや企画が生まれるような形にしています。
具体的には、より多くの学生・求職者に事業所の魅力をアピールするために、企業説明会や事業所見学会、学生に向けた体験入職を開催したり、FacebookやインスタグラムなどのSNSやYouTubeを活用して情報を発信したりしています。また、採用前のプロセスから内定者の事前訪問など、実際に入職する前までの幅広いフェーズの活動を担っています。その中でも特に力を入れているのが、2020年から開始したYouTubeでの動画配信です。動画作成から編集までを私を含めた委員会メンバーで担当し、毎週1回の配信ができるように動いています。

動画で働く魅力を配信!若い世代へ向けたYouTubeの活用方法
――YouTubeでの動画配信に力を入れ始めたきっかけは何ですか?
時代の流れに合わせたツールを取り入れていくことが大切だと考えたためです。魅力発信委員会の若手職員と今後どのように魅力発信をしていくか協議していた際に、「今後は動画を利用したコンテンツ作成が重要になると思う」という声が挙がりました。現代の学生や若者はSNSだけでなく、YouTubeなど多様なツールを用いて情報収集をしています。まずはそこへアプローチしていくことが必要だと考えました。始めるにあたっては、理事会などの承認を得るのに苦労しましたが、まずはやってみようということで始動しました。現在公開している動画内容は、実際の介護現場での取り組み事例紹介や各施設の紹介ムービー、介護技術動画や、2ヶ月に1回の全体委員会にて、各委員から、2か月間のあいだにあったキラッとした職場での出来事「キラっと介護」の発表を配信しています。
※YouTubeチャンネル:【公式】社会福祉法人すこやか福祉会チャンネル
――YouTubeでの動画配信を活用することで得られるメリットはどんなことですか?
「魅力が伝わる情報量と分かりやすさ」にあると思っています。1分間の動画は、ホームページ100ページ分の情報量に相当すると言われています。職員の介護現場でのリアルな姿や実際の業務内容、取り組みを動画で配信することで、「内容がより分かりやすく伝わる」と感じますね。企業によってはコマーシャルを打ち出している所もありますが、YouTubeでも動画のパワーを感じています。
そのほかの効果では、YouTubeは無料で動画作成ができるため、広告宣伝費が抑えられ、結果的に採用コストを削減することもできています。また、自分達で動画編集をすることで、細かいニュアンスを修正して、伝えたいことを明確に伝えられる点も大きいですね。
――職員からの反応はいかがでしたか?
さまざまでしたね。最初はYouTubeをやってることを知らない職員も多数いましたが、動画を法人内の職員研修に活用することで徐々に浸透していきました。毎年法人で集合研修を行っていましたが、コロナ禍の今はできないことが多く、どうしようか考えているときに「動画を活用して研修をしてはどうか?」という話が上がりました。そのことがきっかけで、学生や求職者だけでなく、現場でも活用できる動画の制作を進めました。実際にYouTubeで動画研修をしたことで、「自分の時間に合わせて学べる」「繰り返し動画を見ることで、復習ができる」など新入職員にも好評です。
――YouTubeを含め、魅力発信委員会の取り組みをして良かった点は何ですか?
取り組みを通じて、職員同士の業務内容やそれぞれの人柄への理解が深まったと感じています。SNSやYouTubeを通じてほかの職員の経験が聞けることで、自分の考えが変わったという声ももらっています。自分はマイナスに感じたことでも、ほかの人の捉え方を聞くことでどんなことにも意義があるのではないかと意識できるようになったそうです。また、委員会を通して、現場の異なる職員からの発信には前向きな発言も多く、参加したメンバーからは元気になるというような声もありますね。継続して魅力を発信し続けていくことは大変ですが、その反面、法人全体にも良い効果を生み出せていると思います。

未来の介護を担う若手職員の確保のため、効果的な採用を目指して
――取り組みを通して、採用活動への効果はありましたか?
YouTubeの動画発信はまだ始めたばかりなので、これから採用への効果を検証する段階ですが、面接に来た学生や求職者からは「YouTubeを見ました」という声をよく聞くようになりましたね。
内定者の中には、複数の事業所を受けて最終的に働く先を決めている方も多くいます。実際に職員の介護現場で働くリアルな姿や施設の雰囲気を動画を通して知ってもらうことで、当法人を選ぶきっかけにもなっていると感じています。
実際、中卒採用については2019年から2020年上半期にかけて応募数に大きな変化はないものの、面接の実施率が2倍になり、採用数も3倍に増えましたね。あとは、採用にかかる費用が約1/3に削減できました。
――取り組みをする上で大切に考えている事は何ですか?
あくまでも主役は職員だと考えています。働いている職員が元気で楽しそうに勤務している姿を発信していくことを大切にしています。そして、それを見た方が介護業界によくある「仕事が大変だ、給与が安い、汚い」などのイメージを払拭する機会にもしていきたいですね。当法人が率先して介護の仕事の魅力を発信し続けていきたいですし、取り組みを通して、介護士を目指す人を増やしていきたいと考えています。
――他事業者へ一言お願いします。
2020年は新型コロナウイルスの流行など、予期しない出来事に直面し、さまざまな改革を迫られた事業所の方も多いと思います。「コロナ禍だからできない」などできない理由を探して動けない方もいたのではないでしょうか。私は、こんなときだからこそチャレンジすることを忘れずに、やりながら改善していくトライアンドエラーが大切だと思っています。当法人もSNSやYouTubeの動画配信など手探りの中でスタートし、結果的に採用に繋がったり、登録者数も増えて法人の認知度を上げることができたりし、挑戦したことで良い効果を得られています。まずは「やってみる」ということが大切です。是非いろいろなことに挑戦していけるような事業所が増えたらいいなと思っています。
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