業務の効率化に課題を感じていても、価格に悩んで改善が進まない事業所は多いのではないでしょうか。デイサービスセンターゆめ長居公園では、職員間の報連相をスムーズに行えるようインカムを導入しています。その結果、離れた現場間でも連携が取れるようになり、低価格で業務の効率化が実現。利用者様にはより安全面に考慮してサービスを提供できているそうです。ゆめ長居公園の施設長、岡田様にインカムの使い方や、インカム導入のメリット・デメリットについてお伺いしました。

※きらケア研究所は、介護の求人サービス「きらケア」が運営する介護人事に特化した情報サイトです。

プロフィール

インカム導入の費用対効果とは? 低コストでの効率化事例 -社会福祉法人隆生福祉会 ゆめ長居公園-
岡田 恵介 様

社会福祉法人 隆生福祉会 デイサービスセンター/グループホーム ゆめ長居公園 施設長

他法人での介護職経験を経て、15年前に隆生福祉会に入職。7年前に施設長として就任し、多数の介護ロボット・福祉機器の導入を実現。また、それらの研究・開発を行う大学や企業の実証試験にも協力している。

慌ただしさを感じさせない、ゆとりある空間を目指して

――どのような背景で、インカムを導入されましたか?

約2年ほど前、法人内の会議で「ほかの施設と差別化できる新しいサービスを取り入れたい」と話し合っていた際、「インカムを導入するのはどうか?」と意見が上がったことがきっかけです。そこで、他県でインカムを使用している施設にアポイントを取って見学に伺うと、「インカムを使用すれば、職員同士が大きな声で指示や報告をしなくて良い」と分かりました。また、見学先の施設の方が、『デイサービスのフロアで職員同士が「次、〇〇さんお風呂お願いします」「オムツ持ってきてください」「ちょっと様子を見に来てください」などと大きな声で呼んだり、指示をしたりするのは利用者様に失礼ではないかと感じる』と仰っており、「確かに」とインカムの必要性を強く感じましたね。

当法人では、多数介護ロボットを導入しており、新しい機器を取り入れることにも積極的だったため、見学後すぐにインカムの導入が決まりました。

――当時ほかに課題を感じていたことはありましたか?

当施設では、緊急性を感じる課題は特にありませんでした。見学に伺った施設では、利用者様の定員に対する職員の数が少なく、コミュニケーションの効率化にインカムが役立ったようですが、当施設は、職員の数も十分で施設もワンフロアなので、職員間のやりとりも比較的スムーズにできていました。ただ、インカムを導入することで、より連携がとりやすくなると思いましたね。

スムーズな連携に加え、事故リスクの軽減も可能

――ゆめ長居公園様では、どんな風にインカムを活用していますか?

所長、看護師、フロアリーダー、入浴介助担当者に1台ずつインカムを持ってもらい、事務所やフロア間の移動をせずに情報伝達ができるよう使っていますね。5台あるうちの1台はフリーで置いています。

例えば、利用者様から「施設を欠席する」という連絡が入ると、連絡を受けた所長は事務所からその旨をフロアリーダーに、利用者様の健康状態や薬に関することは看護師にインカムで伝えます。ほかにも、職員間で業務の進行状況を知らせる際に使用します。入浴介助の担当者は、インカムでフロアリーダーに利用者様の入浴状況や順番を報告したり、看護師に褥瘡や塗り薬のケアが必要な方の対応依頼をしたりしていますね。また、看護師はフロアリーダーに、利用者様の状態の記録依頼をする際にも活用しています。100mほどの範囲内であれば電波が通じるため、外出時に車の中で使用することもありますね。

インカム導入の費用対効果とは? 低コストでの効率化事例 -社会福祉法人隆生福祉会 ゆめ長居公園-
▲インカムの活用状況

――導入のメリットとデメリットはどんなところですか?

メリットは、連絡が必要なことがあっても呼びに行く手間や、職員を探す手間がなくなったことです。インカム導入前は声を掛けたい人を探すことに時間がかかっていましたが、現在は報告や指示後に反応が無くても、別の職員が「送迎に行ってます」「トイレ介助中です」と教えてくれます。人の姿が見えなくても音声だけで指示を出せるのが、想像していたより便利でした。

ほかにも、現場を離れた際に起きる事故のリスクを減らせることも良い点だと感じます。インカム導入前は、急に利用者様のオムツ交換が必要になった際、担当職員が自分でオムツを倉庫に取りに行かなければなりませんでした。現在はインカムでほかの職員に「オムツを持ってきて欲しい」と依頼できるので、利用者様から目を離さずに済み、転倒リスクを減らせます。また、一緒に導入を進めた同法人のデイサービス「ゆめ都島」は、建物が3階建てのため、別々の階に居る職員間の連絡に時間を要していたそうですが、インカムの導入によって不便さが解消されたと聞いています。

デメリットは、複数の職員が交代でインカムを使用しており、付属のマイクやイヤホンを使いまわさなければならない点ですね。最初は「衛生面が気になる」という声がありましたが、現在は消毒することで解消しています。また、充電スペースが必要ですが、事務所は広くないので置き場所に少し困りましたね。最初は、着用に慣れておらず戸惑う職員もいましたが、利用者様からはクレームもなく自然に受け入れてもらえました。

また、導入前は職員同士で顔を合わせる機会が減るため、コミュニケーションエラーが起きるという心配がありました。しかし、連絡ノートの活用や終礼の実施により普段からコミュニケーションが取れていたので問題ありませんでしたね。

――インカムの導入に費用はどのくらいかかりましたか?

当施設でかかった費用は、5台の導入で約10万円です。あとは、イヤホンやマイクカバーの紛失時に再購入費がかかりますが、そこまで大きな負担ではありません。比較的低コストで業務の効率化を図れたと感じています。

――今後、インカムの台数を増やす予定はありますか?

今のところはありません。見学に行った他県の施設では職員全員が着用していましたが、30名定員に対しフロア職員は6名ほどでした。当施設では40名定員に対し、職員を12名ほど配置しており、人員に余裕があります。全員がインカムを着けても連絡が煩雑になるので、現在の5台が最適かなと考えています。ただ、人数が少ない少数精鋭の施設なら全員着用の方が効果を発揮するかもしれませんね。

インカム導入の費用対効果とは? 低コストでの効率化事例 -社会福祉法人隆生福祉会 ゆめ長居公園-
▲「薬を忘れました」利用者様からの連絡も事務所を通してフロアへスムーズに共有が可能

必ずしも初めから全面導入の必要はない

――インカム導入を検討されている事業所の方にアドバイスはありますか?

必要であれば後から買い足せるので、2~3台から導入してみてはいかがでしょうか。所長や看護師、相談員など、職員間で連携を取らないと利用者様に迷惑をかけてしまうようなポジションの職員から始めるのがおすすめです。一気に10台、15台と1日のシフトの人数分を導入してしまうと、金額が跳ね上がり、「失敗できない」というプレッシャーになります。少ない台数で効果検証後に、台数の増加を検討するのが良いと思いますね。

――今後の展望や、目標を教えてください。

直近の目標は、コロナウイルスの影響で外出に不安を感じる高齢者の方が、安心してデイサービスに来ていただけるように感染対策を徹底することです。インカムを使用すると、職員同士が距離を取ってコミュニケーションできるので、感染予防にも有効だと考えています。当法人は、利用者様に喜んでいただけるような介護ロボットや福祉機器、設備の導入に前向きなので、当施設でも今後も役立つものは積極的に取り入れていきたいです。

採用ご担当者様へ

医療・介護の分野で成果を出し続けてきた弊社のノウハウとネットワークを、御社の課題解決にぜひともご活用ください 。
掲載に関するお問い合わせや、採用についてのお悩みなどはこちらから。