慢性的な人手不足により就職売り手市場が続く医療・介護業界において、内定承諾率が驚異の90%を超える株式会社アンビスホールディングス。同社の運営する「医心館」は、一般的な介護施設とは異なり、医療依存度の高い方に特化した受け入れと、施設内訪問という新しい医療・介護モデル展開を行なっています。そんな、看護師・介護士の新しい働き方を提供する同社で採用を担当する澤田さんに、欲しい人材を採用する方法についてお話を伺いました。

プロフィール
株式会社アンビスホールディングス 事業戦略本部 採用課 次長
全国各地に「医心館」を展開する同社で、介護職・看護職合わせて年間400名以上の採用を行う。看護師、保健師、キャリアアドバイザー、そして企業人事という自身の多様な経験を活かして内定承諾率向上の取り組みに勤しむ。
自身の経験を生かした多様な採用手法
——いつから採用を担当されているのですか?
私は2017年の11月に入職したので、2年間当社の採用を担当しています。元々は看護師で、その後企業の産業保健師、人材紹介のキャリアアドバイザーを経験して今が4つ目の職場です。
産業保健師時代、健康指導中キャリアに悩む人がたくさんいたにも拘らず、何もアドバイスができないもどかしさからキャリアコンサルタントの資格を取りました。その後資格を活かして自分の力を試したいと思い人材紹介会社に入社しましたが、一つの組織の中で働く人たちの環境を整えたいと思い、企業人事として転職を考えました。転職活動中の面接で当社の社長が口にした、「この会社は看護師さんのための会社でもあるんだよ」という言葉が心に刺さり、当社への入社を決意しました。入社してからは看護師介護士全ての中途採用を担当しています。
——現在はどのように採用しているのですか?
看護師と介護士でそれぞれ採用手法が違います。看護師は紹介会社と自社のホームページで採用しています。介護士は紹介会社を使わない代わりに求人媒体を使い、地方だと紙媒体やその地域で強いツール活用してエリアごとに採用手法を分けています。
最近では看護師・介護士ともにリファラル採用も始めています。リファラルに関しては完全に運用できている状態ではないですが、紹介したいという問い合わせが現場から徐々に増えてきています。

一人ひとりに合わせた訴求内容とスピード感が、内定承諾率向上の鍵
——着任した時は何から始めたのですか?
私が入社した当時は自社で欲しい人材と、紹介会社に紹介してもらう人材や応募が来る人材に大きなギャップがあることが課題でした。はじめに採用ターゲットのペルソナを確立し、ペルソナに共感してもらえるような訴求内容を求人票やホームページに打ち出しました。紹介会社にも資料を作って説明して、求職者や紹介会社に当社を、あわよくば私を好きになってもらえるように心がけました。
同時に、内定承諾率を上げるために訴求内容とスピード感にこだわりました。本当に欲しい人には、面接したその日に入職まで決まる人もいますので、スピード感のある対応はどこにも負けないと思います。紹介会社からの求人も、メールに気が付いたらすぐに返すくらいのスピード感を意識して、いつでも求職者の方を一番優先しています。
——求職者にはどんな訴求をしているのでしょうか?
面接と求人で訴求内容は異なりますが、私が特に工夫しているのは面接です。転職活動をしている理由を聴くことで、その人が働く上で大切にしていることを探り、当社で叶えられることを訴求するようにしています。本当に欲しい人には、入社後に期待することまで伝えています。逆に、少し理想が高そうな人に対しては、出来ることと出来ないことを見える化して入社後のギャップがないようにします。看護師と介護士で訴求内容を分けるのではなく、求職者一人ひとりの価値観に合わせて訴求をしています。
求人では、「医心館とは何か?」をしっかり見える化しました。当社の運営する医心館は施設内訪問看護・介護という特殊な施設なので、求人票に一日のタイムスケジュールを記載するなど、具体的に働くイメージができるような設計をすることから始めました。施設内訪問は施設と病院の間のような絶妙なポジショニングが強みなので、看護師・介護士それぞれの職種に響くような内容を記載しました。
——共感してもらうためにどんなことをしましたか?
看護師向けの採用パンフレットと在職しているスタッフの座談会動画を作成しました。求職者はより細かい情報を知るために紹介会社を使うので、紹介会社に登録しなくてもわかるくらいの情報が出ている状態にしました。求職者からは実際に働いてる人たちの様子を知りたいという声が多かったので、座談会動画は特に効果がありましたね。
面接においても、最初に少しヒアリングをしてその後にしっかり当社の説明をするようにしています。当社は面接が対面ではなくオンラインなので、普段より一層魅力を伝えることを意識しています。求職者に対しては、「素敵ですね」や「すごいですね」のようなポジティブな言葉を素直に伝えるようにして、その反応を見ながら相手を盛り上げて巻き込むことをしています。
これらをやり始めてからは本当に採用がうまくいくようになり、内定承諾率も90%まで上がりました。

大好きな医療・介護業界で働く人たちの環境を整えたい
——新たな課題や、新しく取り組んでいることはありますか?
今後は職員の定着にも目を向けていきたいと思っています。看護師時代に責任感のある先輩や同僚に恵まれたからこそ今の自分がいるので、私は医療・介護・福祉の関係者のために働きたいんですよね。大好きな人たちが長く働ける環境を整えて行きたいという熱い想いが人事担当者として誰にも負けないモチベーションになっているんだと思います。「働く人が生き生きとできる環境を作る」ということが私の使命だと思っているので、それに必要な知識とスキルを取得するために社会人大学院にも通い始めました。私はキャリアのスタートが病棟看護師だったこともあり、他の人事より戦略や経営に対しての経験や知識が劣っているんですよね。今後それらの知識がないと医療介護業界の人たちを幸せにできないんじゃないかという勝手な責任感があります。
——澤田さんの考える医療・介護業界の人事のあるべき姿とは何ですか?
職員が自分のキャリアを考える機会を与えることが、人事のあるべき姿ではないかと思っています。
医療・介護業界の人たちは業務に忙殺されて自分のキャリアプランを考えられていない人が多く、本当にやりたいことがわからないまま転職してる人もたくさん見ます。他の業界ではキャリアについて考える活動が進んでいますが、医療・介護業界でも同じようにしていかないと、良い人材は他所に取られてしまうと思います。だからこそ、職員のキャリアパスを整え、長くこの業界で働ける環境を整えていくことが私たち医療・介護の人事のあるべき姿だと考えています。
お問い合わせは「レバウェル介護」まで
よろしくお願いします。




