職員の接遇スキルの必要性は、昨今の介護現場では重要なテーマのうちの一つです。そうはいっても、職員に身につけてもらうのはなかなか難しいですよね。今回は、セコムグループが運営する介護付き有料老人ホーム「コンフォートヒルズ六甲」の奥村様に接遇研修の導入状況についてお伺いしました。

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プロフィール

「接遇の上に介護が成り立つ」 職員が自ら振り返る接遇研修-コンフォートヒルズ六甲御中-
奥村 政彦 様

セコムフォートウエスト株式会社 コンフォートヒルズ六甲 副支配人 レジデントサービス部部長

1998年、セコム株式会社に入社。その後、都内社会福祉法人に出向、地域向けサービス企画や法人内外の介護部門や地域事業者との連携に従事すると共に、法人内の研修プログラムの立案、改善を実施。本社プロジェクトの在宅高齢者向けの生活サポートサービス立ち上げに携わった後、2020年3月にコンフォートヒルズ六甲の副支配人に着任。

居住者の接遇やサービスへの期待に応えられるように

「接遇の上に介護が成り立つ」 職員が自ら振り返る接遇研修-コンフォートヒルズ六甲御中-
▲まるで一流ホテルのような広々としたロビー

――内装から高級な雰囲気を感じますが、どんな方が居住されていますか?

コンフォートヒルズ六甲は富裕層の方を対象とした有料老人ホームという位置づけの施設です。居住者様には、経営者や資産家の方もいらっしゃいますね。施設として「充実のサポート体制」をアピールしていることもあり、接遇やサービス面で期待感を持って居住される方が多く、丁寧で行き届いた対応を心がけています。玄関から入ってすぐのフロントでは、笑顔でスタッフがお出迎えをさせていただき、高級ホテルのような雰囲気を感じていただけるように工夫しています。

――職員は接遇スキルを重視して採用していますか?

採用段階で何か特定の接遇スキルを重視しているということはありません。ただ、施設に対するイメージもあるのか、応募される方の中には、生活のサポート・身体介助のような介護業務よりも、ゆっくり居住者様とコミュニケーションをとる時間が優先されると思っている方も多いです。そのため、採用の際には応募される方の接遇スキルを優先して見るというよりは、基本的な要件として、経験や必要なスキルについても確認しています。入職後にギャップが生まれないように業務内容をしっかりお伝えしていますね。

「接遇」について職種を越えて語り合う

――接遇はどのような方法で学ぶのでしょうか?

年に4回ほど外部講師を招き、様々な部署の職員をミックスしたグループワークメインの研修を行っています。前回の研修では「自分自身の特性を知ること」と「サービスのあり方を見直すこと」が主な内容でした。そのなかで、サービスを構成する一つの要素として、「接遇」のあり方についても、ディスカッションしました。

「自分自身の特性を知ること」のパートでは、他人に対する自身の行動を振り返るために、まず職員それぞれが自分自身の理解を深めることに取り組みました。具体的な内容としては、チャート式で質問に答えていき、10種類ほどにタイプ分けをしていきます。そのタイプごとに、自分の長所や伸ばした方がいいところ、普段の行動で気をつけた方がいいところが分かります。楽しみながら自分への理解を深められるのが良かったと思います。

――ディスカッションではどんな意見を交換しましたか?

介護職員だけでなく、事務系や調理系の職員など、自分とは違う職種の人も交えて、「自分の考えている接遇」「サービスを提供する上での接遇のあり方」について話し合いました。「他職種連携」とは、口で言うほど簡単ではありませんが、「接遇」というひとつのキーワードについて、普段話さない職員同士が話すことで連携を図るいいきっかけになったと思います。実際に居住者様の身体機能に変化があったとき、どのように職種間で情報共有をするかなど、具体的な話し合いもできました。研修後の職員アンケートでは、職種を交えてディスカッションしたことで、お互いに理解を深められたのが良かったという声が多かったですね。

――外部機関に研修を依頼することのメリットはなんですか?

客観的に状況を見ることができる方にアドバイスをもらうことで、現場にいると忘れてしまいがちなことを思い出せる点ですね。「親しさとなれなれしさは違う」とよく言われますが、居住者様と一緒に過ごす時間が長ければ長いほど、職員は接遇の意識を忘れてしまいがちです。自社で研修を設計するのもいいですが、研修に関しては外部機関に頼ることで、気付きが生まれ、人材が育つ部分もあるのではないでしょうか。

「接遇」の上に「介護が成り立つ」

――職員の接遇スキルを伸ばすために大切にしていることは何ですか?

まずは事業所の特性と居住者様の期待をしっかり理解した上で、定期的に振り返りの機会を設けることを大切にしています。教育プログラムを作成して、その中で「接遇」の技術を身につけてもらう、という訳ではありません。「接遇はサービスの根底をなすものであって、その上に介護技術がある」というのが基本的な考えですね。

そのため、当施設では入社後3日間はコンフォートヒルズ六甲におけるサービスのあり方や基本的な理念、自分たちの行動指針、マナーについてしっかり理解を深めるための研修を行なっています。そして先程お話したように、年に数回、外部機関のアドバイスを受けながら自分たちの日々の業務の中での接遇を振り返っていますね。

――今後さらに取り入れていきたいことや展望があれば教えてください

2020年春からコロナ禍で、想定していなかった面会制限をしており、ご家族へはこれまでと違った情報提供が必要となっています。今までは対面でお話できていたのが、そういう訳にはいかなくなりました。現状、テレビ電話を面会に取り入れていますが、雰囲気が見えないところが課題として挙げられます。こういった状況下でも「いかにその場の空気を温めてお繋ぎできるか」は、職員一人ひとりの接遇に対する意識が、重要になってくるのではないかと思いますね。今まで以上に、居住者様とご家族様が心地よくお話できる環境を提供したいですね。

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