料理で心身機能回復を目指す【認知症ケアと予防に役立つ料理療法】

仕事 2019/06/11
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◆はじめに


料理は家事やレクリエーションの一環として以外に、認知症ケアおよびその予防につながる可能性がある活動であるとも考えられています。この記事では、このような料理療法について見ていきましょう。

◆料理療法について


まずは、料理活動と料理療法の概要についてです。

【料理活動とは】


献立立案や材料入手に始まり、料理を作ってから片付けるまでのひと通りの流れが、「料理活動」に含まれます。完成品が形として目に見えるため達成感を得やすく、食べる楽しみも持っているのが料理活動の魅力です。

【料理療法とは】


料理活動を通して心身障がいの症状改善や回復、情緒安定を図り、生活の質=QOL向上と豊かな人間関係構築を目指す療法を、料理療法といいます。音楽療法や園芸療法と同じように、非薬物療法としての性格を持っているのが特色です。

料理療法は高齢者や障がい者だけでなく、健常者や子どもたちも参加対象とすることができます。ただし「認知症ケアと予防に役立つ料理療法」では、特に認知症予防や認知症を発症している高齢者の方へのケアを中心に実施しています。

【料理活動の効用とは】


高齢者にとっては、生活の中で繰り返されていたなじみのある作業であり、可能な範囲で自分で料理を作ることは、高齢者の生活の自立を保ち、介護予防にも有効です。 また、多くの工程・作業を含むため、参加者それぞれの能力に応じた「役割」の分担が可能です。このことは、日常生活における「役割」を再認識し、「自信の回復」につながります。このような「役割感」を感じることは、「料理活動」の重要な特徴といえます。
また最近、料理を作ることが脳の前頭前野の働きを活性化することも明らかになっています。「料理活動」による様々な効用は、認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia: BPSD)の緩和効果にもつながり、生活の質(QOL)の向上が期待できます。
認知症ケアと予防に役立つ料理療法S1

◆料理療法の流れ


ここでは、料理療法の手順を紹介します。

【基本方針】


参加者の潜在能力と自発性を引き出すために、参加者が自分でできることは、可能な範囲でしてもらいます。また、参加者のやり方を尊重します。
人生の先輩である参加者から「料理を教えていただく」という尊敬の念をもって接します。
スタッフはセッティングと見守りが中心で、できないところを手助けします。

【個人アセスメント】


参加者個々の状況を把握するため、事前に情報収集を行います。また、料理療法では食事場面を伴うことから、食事の形態や動作、嚥下状態をチェックしておくことも大切です。

【計画】


個人アセスメントの結果をもとに、料理療法の計画を立案。マンツーマンで行うのか、グループで実施するのかを決定します。いずれの場合でも活動目標を設定し、参加者に応じた献立や役割分担、支援方法について検討します。

【実施】


・進め方
あらかじめ卓上に材料を並べておき、その日に作る料理の説明を行います。次に、役割分担に応じて参加者に材料と調理器具を手渡し、料理活動を開始します。

・支援方法
できるだけ参加者が自立できるよう働きかけるとともに、やる気を喚起するサポートを心がけるようにします。

・言葉がけ
基本的には参加者から「教えていただく」というスタンスで話しかけ、相手への尊敬を忘れないようにします。
絶対に言わないようにするのは、「危ない」という言葉。言われた相手が萎縮したり、緊張でスムーズに行動できなくなったりする可能性があるからです。

【評価】


・振り返り
料理活動終了後は、短時間であってもスタッフ同士で振り返りを行うようにします。ミーティングが開けない場合は、記録や評価を文字として残しておくと良いでしょう。

・評価内容
参加者の「参加意欲」「表情」「発言」「集中力」「社会性」などの要素が評価項目となります。参加者のとった行動や発言も併せて記載しておきます。
加えて、グループ全体の評価として、メニューの内容や参加者の選び方、支援方法、会話が活発に交わされたか、等の観点から振り返りをして次回の支援に活かします。

【QOL向上】


料理療法を行う前と後の参加者の変化に関する情報をケアのスタッフと共有し、次回や日常のケアに活かせるようにします。

◆取り組み


「認知症ケアと予防に役立つ料理療法」では、講演や講習会を開いたり、書籍を出版したりもしています。

【講演・講習会】


2019年6月29日(土)に、料理療法のシンポジウム「実践から学ぶ料理療法 2」が開催されます。認知症ケアを目的とした料理療法、カナダでの料理療法事例、料理療法が目指すものについて語られる予定です。

【書籍】


料理療法関連の書籍には、『認知症ケアと予防に役立つ料理療法』(クリエイツかもがわ刊)があります。本の中では、料理療法の概要や実践方法はもちろんのこと、高齢者施設で高い人気を誇るメニューとレシピも紹介されています。
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◆詳細情報


認知症ケアと予防に役立つ料理療法に関するお問い合わせ先は、以下の通りです。

【シンポジウム問い合わせ・申し込み先】
認知症ケアと予防に役立つ料理療法Webサイト
https://www.enjoy-cooking.org/blank-2
研究代表 京都教育大学家政科 湯川夏子様

【住所】
〒612-0028
京都府京都市伏見区深草藤森町1

【電話番号・FAX】
075-644-8315

【Facebook】
https://www.facebook.com/enjoycooking1020

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【参考URL↓】


◆はじめに
https://www.enjoy-cooking.org/blank

◆料理療法とは
https://www.enjoy-cooking.org/blank

◆料理療法の流れ
https://www.enjoy-cooking.org/blank-1

◆取り組み
https://www.enjoy-cooking.org/blank-2
http://www.creates-k.co.jp/books/book.php?searchbk=1412150139%EF%BC%89

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