「利用者にとってもう一人のあたたかい家族」を合言葉に、東京都内から全国に11拠点を展開するRecovery International 株式会社(リカバリーインターナショナル)。入職する方の90%が訪問看護業界未経験者にもかかわらず、創業から絶え間ない成長を続けている秘密は、その育成方法にありました。今回は創業当初から人事育成・採用に携わっている東京統括の柴山様へお話をお伺いしました。

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柴山 宜也様Recovery International 株式会社

プロフィール

柴山 宜也 様

Recovery International 株式会社(リカバリーインターナショナル)

東京統括 業務副部長

Recovery International 株式会社立ち上げ当初に入社。三次救急の急性期病院で経験を積んだのち、「何でもできる看護師ではなく、事前に対応できる看護師」を目指し同社へ。現在は東京エリアを統括しながら、教育・採用に携わり職員を支えている。

未経験入職者への教育実施体制

――「訪問看護未経験」の看護師が入職した際の教育はどのように実施していますか?

実際に弊社では、訪問看護未経験での入職者が全体の約90%を占めています。先輩職員も含めて「未経験者」がとても多いです。その中で、「もう一人のあたたかい家族」という企業理念に近づけるような職員育成ができるように、訪問看護ではめずらしい「1年間の教育カリキュラム」を作成しました。どんなことでも一人で対応できる看護師を育てるために徐々に作り上げた制度です。ガイドラインに沿って、ユニットリーダーやチーフを含め、チームで教育をしていきます。

――実際の教育カリキュラムはどのようになっていますか?

1か月目はオリエンテーションを中心に業務に慣れることから始め、2か月目には地域との関わりやケアマネージャーとの地域連携、報告書の書き方を学びます。3か月ごろには訪問にも慣れてくるタイミングですので、訪問先だけでなくオンラインでもフィジカルアセスメントの研修を行います。6か月ごろには緊急時対応研修の実施や、疾患の難易度の高い訪問も行うようになるため、神経難病などの疾患の研修などを実施しています。普段の実施教育以外にも、いつでもどこでも研修が受けられるようにe-ラーニングの導入もしています。また、リハビリ職や専門職との連携も大切になってくるので、他職種との同行も実施しながら相互理解を深めています。

――業務後の報告や相談などはどのようにしているのでしょうか?

ステーション内では個別に「申し送り」のための時間を設けておらず、支給しているスマートフォンを利用してタイムリーに報告できるシステムを活用しています。申し送りをする時間を設けるよりも、随時報告して最新の情報を把握できる体制にしています。管理者が一括してケアマネジャーや連携しているドクターへ報告するのではなく、職員一人ひとりが責任を持って情報共有を行い連携を深めるように取り組んでいます。また週に一度各拠点毎にミーティングをしています。全員参加するようにしており、拠点ごとの利用者様の情報交換や、ユニット内の運営方法をリーダーを中心に職員全員で決めていますね。

――教育時のフォロー体制はどのようにしているのでしょうか?

教育に関しては、ユニットリーダーが中心となってやっていますね。イメージで言うと、会社の上司や主任がユニットリーダーにあたります。また、フォロー体制では、当社では「チューター」という担当をつける制度を設けています。ユニットリーダーや他のクルーがどんどん現場の指導をしながら、チューター担当はいわゆる「良き先輩・理解者」としてメンタルフォローを実施する役割です。1年以上勤務経験がある職員や、教育する立場となる方へお願いして、チューターを担当してもらっています。実際に今までに経験してきたことを後輩に伝えながら、チューター自身も一緒に成長できるようなフォローできる体制を整えています。

不安払拭や長期就業につながるポイントとは何か?

――教育時に質問されやすいことや、不安を取り除く対処方法はありますか?

直接ご自宅に訪問するので、ご家族との関わり方はもちろん、ドクターやケアマネジャー、コメディカルなど、他職種との連携方法は良く質問されることが多いですね。特に未経験の方は、疑問や不安に思ったことがあっても、リアルタイムで相談ができない部分を不安に思います。そのため、当社では振り返りシートを作成し、業務後や後日、遠隔でも質問に対する回答を指導者が行なえるようにしています。振り返りシートはどの職員でも見れるようにしているので、現場でも支持を得ていますね。例えば、指導者側のメリットでは他の指導者がどのような教育をしているか、新人職員がどういったことで悩んでいるかがわかります。また新入職員側のメリットでは自分自身の行動の振り返りをすることができます。双方で相乗効果を生み、より良い指導ができるように活用しています。

――未経験者への教育のコツとは何でしょうか?

「目標設定」をすることが大切ですね。「なぜ訪問看護をしようとおもったのか、今後どういったことをしていきたいか」を定期的に振り返る機会を設け、目標を明確にするようにしています。他にはどんどんチャレンジさせることを意識していますね。業務にチャレンジしてやりがいを一緒に見つけてあげることができれば、より積極的に取り組むようになります。

柴山 宜也様  Recovery International 株式会社
▲現場にて社員教育に携わりながら、さまざまな相談にも対応している柴山様

未経験者を採用する際に大切にしている観点やポイント

――どのような方であれば「未経験者」でも採用しているのでしょうか

「優しさ・柔軟性」を見ていますね。病院であれば病院がホーム、患者様がアウェーという立場ですが、在宅となると利用者様がホーム、私たちがお伺いする立場なのでアウェーとなります。利用者様も私たちの人柄の部分を見ているので、対応次第では契約を切られることもあります。そのため、会社の企業理念でもある「もう一人のあたたかい家族」という視点が持てるような、優しさや柔軟性を見ていますね。あとは一人で抱え込まずに相談できるかどうかを見ています。チーム体制を取っているので、一人の勝手な判断で動くというよりも、チームへ相談して協調性を持って業務に対応できるかを意識しています。

――採用時に一番大事にしているポイントはどこでしょうか?

「熱意があるかどうか」を大事にしています。やってみたい気持ちがどれだけあるかが重要で、いくら人柄が良くても気持ちがなければ続かない仕事だと思います。また、自身のキャリアプランが描けているかどうかも面接時に見ていますね。例えば「訪問看護をしていきたいと考え病院で経験を積み、次に高齢者看護も学ぶために施設へ転職した。そこから訪問看護へ挑戦しました。」というような、自分のビジョンにのっとっている方だといいなと思いますね。どのような仕事でも、熱意の部分は重要だと思います。

――今後の展望を教えてください

創業から7年を超えますが、会社自体をまだまだ成長させていきたいと考えています。そのためにも、「教育体制」をどれだけ強くしていけるか、ということに現在も取り組んでいます。私自身も携わらせていただいているので、より一層のマネジメントや地域連携を行い、全体の底上げにも尽力していきたいと考えています。個人としては知識技術の研鑽を積むだけでなく、地域社会への貢献も行い、会社の象徴にもなっていきたいですね。
また、弊社では「ナーステート」というメディアも運営し、看護師としての自分、看護師としての生き方を大切にしてほしいという思いを込め、より良い働き方やキャリア形成に関する情報を発信しています。